目次
- 安全書類の作成にAIを使う前に、3つの種類に分ける
- グリーンファイルの一覧 ― 誰が作り、誰に出すか
- 期限のある資格・保険の例
- 集めて点検するもの ― 台帳と名簿を作り、期限切れ・不足・不一致を一覧にする
- 元請の確認観点
- 差し戻し・不備の典型
- 工事条件から書くもの・現場で記録するもの ― 下書きと、矛盾の検出
- 安全衛生計画書・リスクアセスメント・KYの下書き
- 日報・名簿・記録の矛盾を検出する
- AIが受け持つこと、人が決めること
- 「正しい」の定義 ― 8つの判定基準
- 時間外労働の上限規制との関係
- 始め方 ― 順番と、協力会社に伝えること
- 持ち帰りチェックリスト
- よくある質問
- 協力会社が紙や写真で出してきます。それでも使えますか
- 健康診断の結果や保険証の写しをAIに読ませてよいのですか
- KY記録をAIが下書きすると、形だけのKYになりませんか
- Wizitではどう進めるか
工事現場の安全書類は、現場の安全そのものとは別のところで現場を疲弊させています。施工体制台帳、再下請負通知書、作業員名簿、安全衛生計画書、持込機械等使用届、新規入場者教育の記録、毎朝のKY活動記録。元請は協力会社から集めて点検し、協力会社は現場ごとに同じ内容を様式を変えて作り直す。一次の職長が夕方の事務所で名簿と資格証の写しを並べ、元請の施工管理担当が翌朝それを一枚ずつ確かめる。この往復が、協力会社の離反と元請の確認工数の両方の原因になっています。
一方で、安全書類はAIを入れやすい領域でもあります。理由は「正しい」の定義が明確だからです。労働安全衛生法と建設業法、発注者の要領、元請の安全管理規程に、何を書き、何を添え、いつまでに出すかが決まっています。
本記事では、協力会社の様式も入力も変えずに安全書類を揃える方法を、元請の施工管理担当・安全部門と、協力会社の経営者・職長の両方に向けて書きます。
安全書類の作成にAIを使う前に、3つの種類に分ける
安全書類は「作り方の違い」で3つに分けると、どこからAIを入れるかが決まります。混ぜて「安全書類をAIで」と言うと、手のつけどころが決まりません。
安全書類の3つの種類(工事条件から書くもの/集めて点検するもの/現場で記録するもの)と、それぞれのAIの入れ方
グリーンファイルの一覧 ― 誰が作り、誰に出すか
現場で「グリーンファイル」と呼ばれるのは、協力会社が元請に提出する労務安全関係の書類の束です。多くの元請が全国建設業協会の「全建統一様式」か、それを元にした自社様式を使っています。
| 書類 | 作る人 | 出す先 | 根拠・性格 |
|---|---|---|---|
| 施工体制台帳・施工体系図 | 元請(一次以下の情報を集めて) | 発注者(公共工事は写しを提出)。体系図は現場に掲示 | 建設業法第24条の8。下請契約の総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)で作成義務。公共工事は金額を問わず |
| 再下請負通知書 | 一次以下の各社(再下請負をしたとき) | 元請 | 同条第2項。二次・三次の情報はここから台帳に入る |
| 下請負業者編成表 | 一次 | 元請 | 一次の下に入る会社を系統で示す |
| 作業員名簿 | 各協力会社 | 元請 | 2020年10月の建設業法施行規則改正で、氏名・職種・社会保険の加入状況などが施工体制台帳の記載事項に |
| 工事安全衛生計画書 | 各協力会社(元請の全体計画に沿って) | 元請 | 自社の作業の危険と対策、使う機械、有資格者 |
| 持込機械等使用届 | 各協力会社 | 元請 | 移動式クレーン・車両系建設機械と、電動工具・電気溶接機で様式が分かれる |
| 新規入場時等教育実施報告書 | 元請または各協力会社 | 元請が保管 | 労働安全衛生法第59条の安全衛生教育と、特定元方事業者の措置(第30条)に基づく実務 |
| 安全ミーティング報告書(KY活動記録) | 各協力会社の職長 | 元請 | 毎朝のTBM・KYの記録。参加者の署名 |
元請が「作る」のは施工体制台帳と施工体系図で、残りは協力会社が作って元請に「出す」ものです。だからAIの入れ方も、元請側は「集めて点検する」、協力会社側は「様式を変えずに出す」が基本です。
期限のある資格・保険の例
点検で最も時間を取るのは期限の確認です。資格には期限のないものと、あるものが混ざっています。
| 区分 | 例 | 期限の性格 |
|---|---|---|
| 免許・技能講習 | 移動式クレーン運転士(つり上げ荷重5t以上)、玉掛け(1t以上)、小型移動式クレーン(1t以上5t未満)、高所作業車(作業床10m以上)、車両系建設機械(3t以上)、足場の組立て等作業主任者 | 有効期限はない。「その作業をする人」の名で揃っているかを見る |
| 特別教育(労働安全衛生法第59条第3項) | 玉掛け(1t未満)、高所作業車(10m未満)、低圧電気取扱、アーク溶接、フルハーネス型墜落制止用器具(2019年2月から) | 有効期限はない。作業内容との対応を見る |
| 定期講習・更新のある資格 | 第一種電気工事士の定期講習(5年ごと)、監理技術者資格者証と監理技術者講習(5年)、職長・安全衛生責任者教育の再教育(おおむね5年ごと) | 期限切れが差し戻しの典型 |
| 健康診断 | 定期健康診断(1年以内ごとに1回、労働安全衛生規則第44条)。深夜業などの特定業務は6か月以内ごと | 受診日から1年で切れる |
| 社会保険・労災 | 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況(適用除外はその理由)。労災は建設業では元請一括で、一人親方は特別加入が必要 | 記載と証明書類の一致。一人親方は特別加入の期間 |
| 機械・車両 | 移動式クレーンの検査証(有効期間2年)、車両系建設機械・高所作業車・フォークリフトの特定自主検査(1年以内ごとに1回)、車検・自賠責・任意保険 | それぞれの有効期限 |
「技能講習に期限はない」ことを知らずに、更新書類を協力会社に求めてしまう例があります。期限の有無も、AIに持たせる判定基準の一部です。
集めて点検するもの ― 台帳と名簿を作り、期限切れ・不足・不一致を一覧にする
多くの会社で最も重いのはこの種類です。協力会社から集めた書類の転記と、資格・保険・健診の期限の確認が仕事の大半を占めます。
協力会社の提出書類をAIが読み取り、台帳・名簿を作って期限切れ・不足・不一致を一覧にし、元請が確認して出す流れ
AIが受け持つのは、協力会社の提出書類を読み取って台帳と名簿を作り、次の3つを一覧にすることです。
- 期限切れ: 講習・健診・保険・検査証・車検が、工期の最終日より前に切れていないか
- 不足: 必要な書類が出ていない、作業に必要な資格者が名簿にいない、二次以下の会社が通知書に無い
- 不一致: 名簿と資格証の氏名(旧字・異体字を含む)、生年月日、会社名、入場日と教育実施日の前後関係
協力会社に求めるのは、今まで通り書類を出すことだけです。様式を変えない、新しい入力をさせない。これが「負担を増やさない」の具体的な意味です。 変わるのは元請側の確認の仕方で、一枚ずつ見るのではなく、一覧の不備の行だけを見て対応する形になります。
元請の確認観点
元請の担当者が台帳と名簿を見るときに確かめているのは次の4つです。これをAIの判定基準に書き起こします。
- 体制: 一次から末端までの会社が全部出ているか。通知書・編成表・台帳が合っているか。建設業許可の業種、主任技術者の配置、一括下請負(建設業法第22条)の有無
- 人: 名簿の全員の資格・教育、社会保険の加入状況、健康診断、18歳未満の就業制限、外国人の在留資格と期間
- 機械: 持込機械の検査証・特定自主検査と、運転する人の資格の対応
- 計画と記録の整合: 安全衛生計画書の作業・機械・有資格者と、KY記録・日報・教育記録の食い違い
差し戻し・不備の典型
協力会社の提出物が差し戻される理由は、どの現場でも似ています。
| 典型 | 何が起きているか | AIが検出する手がかり |
|---|---|---|
| 資格の写しが無い・作業と合わない | 玉掛けをする人の技能講習修了証が無い。作業床12mの高所作業車を使うのに、10m未満の特別教育しか無い | 計画書・持込機械届の作業と名簿の資格欄 |
| 社会保険の記載と証明が合わない | 名簿に「加入」とあるが証明書類が無い。適用除外の理由が空欄 | 名簿の加入欄と証明の有無・事業所番号 |
| 二次以下の会社が漏れている | 当日現場にいる会社が台帳にも再下請負通知書にも無い | 名簿・日報の会社名と台帳の差分 |
| 期限切れ | 健診が1年を超えている。監理技術者講習、第一種電気工事士の定期講習、クレーン検査証、車検が工期中に切れる | 各期限と工期の最終日の比較 |
| 日付・氏名・会社名の不一致 | 名簿の氏名と資格証の漢字が違う(旧字)。教育実施日が入場日より後。作業員の入れ替わりの変更届が出ていない | 書類間の文字列と日付の照合 |
工事条件から書くもの・現場で記録するもの ― 下書きと、矛盾の検出
安全衛生計画書・リスクアセスメント・KYの下書き
安全衛生計画書やKYの想定危険は、工事ごとに似た内容を書き直しています。工法・場所・時期が決まれば、危険の大半は過去の計画に書いてあります。リスクアセスメント(労働安全衛生法第28条の2)も、同じ工種の過去の評価表が最良の出発点です。他現場のコピーで現場名や機械が違う、という典型の不備もここで起きます。
根拠は、過去の安全衛生計画書・リスクアセスメント・KY記録(同じ工法・似た現場のもの)と、発注者の要領・元請の安全管理規程の2つです。工事条件を入れると、過去の計画から該当する危険と対策を引き、要領の項目に沿って下書きします。担当者は現場固有の危険(近隣の学校や商店、既設の高圧線、冬季の凍結、夏季の熱中症)を加筆するだけになります。
大事なのは、下書きの各行に根拠を残すことです。この対策はどの過去案件から来たか、この項目は要領のどこに対応するか。根拠があれば安全部門や発注者の確認が速くなり、他現場のコピーという典型の不備も、工事条件との突き合わせで検出できます。
日報・名簿・記録の矛盾を検出する
KY活動記録や新規入場者教育の記録は、現場で起きたことを決まった様式で残す仕事です。負担は、一言のメモや音声メモから様式に起こすことで減らせます。もう1つの目的が矛盾の検出で、監査や労働基準監督署の調査、万一の事故調査で最も問われる点です。
| 突き合わせる書類 | 検出する矛盾 |
|---|---|
| 日報の人員 × 作業員名簿 | 日報に名前のある人が名簿にいない。名簿にいるが新規入場者教育を受けていない |
| 日報の作業 × 安全衛生計画書・持込機械届 | 計画に無い作業・機械が日報に出てくる(例: 届の無い高所作業車) |
| KY活動記録の参加者 × 日報の人員 | KYに署名した人が当日の日報にいない。日報にいる人がKYに参加していない |
| 新規入場者教育の実施日 × 日報の初出日 | 教育の日付が、その人が初めて日報に出た日より後 |
| 作業員の入れ替わり × 変更届 | 名簿に無い人が日報に出続けているのに、変更届が出ていない |
矛盾の検出は、協力会社を疑うためのものではありません。職長が夕方に書いた記録と元請が翌朝見る記録のずれを、提出前にお互いが直せるようにするためのものです。
AIが受け持つこと、人が決めること
安全書類は法定書類です。だからこそ、AIに何を任せ、何を人が決めるかの線を先に引きます。
AIが受け持つこと(読み取り・転記・期限・一覧・下書き)と、人が決めること(提出の判断・例外・現場固有の危険・指導・個人情報)
AIが受け持つのは、読み取り・転記・突き合わせ・期限の算出・一覧化・下書きです。どれも「根拠の箇所を示せる作業」で、人が後から確かめられます。人が決めるのは次の6つです。
- 提出するかどうか。発注者に出す判断と、協力会社の提出物を受理する判断は、所長や安全担当が行う
- 例外の扱い。一人親方、1日だけの短期入場、社会保険の適用除外など、規程の読み方が割れるところ
- 現場固有の危険の加筆。近隣、既設設備、季節、同時作業
- 協力会社への指導と是正の指示。問い合わせ文はAIが下書きするが、送るかどうかと言い方は人
- 個人情報の範囲と預け方。健康診断の結果、保険証の写し、マイナンバーの扱い
- 資格要件の解釈が割れたとき。法令と元請規程のどちらを優先するか
提出の判断は人、根拠は各行に残す。 この2つを守れば、AIの出力が間違っていても、どこで間違えたかを人がたどれます。
「正しい」の定義 ― 8つの判定基準
安全書類のAIを本番で動かすための判定基準は、法令と要領から素直に決まります。「だいたい合っている」では済まない書類だからこそ、合否を機械的に測れます。
「正しい」の8つの判定基準(様式・体制・資格・教育・保険と健診・期限・整合・根拠)
| 観点 | 判定の仕方 | 根拠にするもの |
|---|---|---|
| 様式 | 元請・発注者が指定する様式の項目がすべて埋まり、添付が揃っている | 全建統一様式、発注者の要領、元請の安全管理規程 |
| 体制 | 当日入場する会社と人が、台帳・再下請負通知書・名簿に抜けも余りもない | 名簿、日報、通知書の差分 |
| 資格 | 作業に必要な免許・技能講習・特別教育が、その作業をする人の名で添付されている | 安全衛生計画書・持込機械届の作業と、資格の写し |
| 教育 | 新規入場者教育・送り出し教育の記録が、その人の入場日より前の日付である | 教育実施報告書と、日報の初出日 |
| 保険・健診 | 社会保険の加入状況が証明と一致し、適用除外は理由がある。健康診断は受診日から1年以内 | 名簿の加入欄、証明書類、健診の受診日 |
| 期限 | すべての期限が工期の最終日まで有効。工期中に切れるものは更新予定日が入っている | 各期限と工期 |
| 整合 | 日報・名簿・KY記録・教育記録の間で、人員と作業が矛盾しない | 前節の突き合わせ表 |
| 根拠 | 一覧と下書きの各行に「どの提出書類の、どこから読んだか」が残っている | 読み取り元のページ・箇所 |
この8つで、過去の書類を使って合格率を測ります。数字は2つ。人が見つけた不備をAIが全部拾ったか(見逃し)と、不備でないものを不備と言っていないか(拾いすぎ)です。見逃しはゼロに近づけ、拾いすぎは人が一覧で捌ける量に収めます。他社の数字は当てにしないでください。
時間外労働の上限規制との関係
建設業では、労働基準法の時間外労働の上限規制が2024年4月1日から適用されています。数字は次の通りです。
- 原則: 月45時間、年360時間
- 特別条項つきの36協定を結んでも: 年720時間以内、月100時間未満(休日労働を含む)、2〜6か月の平均で80時間以内(休日労働を含む)、月45時間を超えられるのは年6回まで
- 建設業の例外: 災害時の復旧・復興の事業は、月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内の規制が適用されない(年720時間は適用される)
施工管理担当の時間外労働は、現場が終わってから始まる事務が大きな割合を占め、協力会社の職長も夕方の事務所で名簿と記録を書いています。安全書類の点検と下書きをAIが受け持つことは、安全の話であると同時に、この時間の話です。
経営の視点では、現場ごとの時間外労働の実績を把握し、上限に近い人と現場を早めに知ることが同じ仕組みの延長にあります。日報の人員と勤怠の突き合わせは、安全書類の整合チェックと同じ作りだからです。
始め方 ― 順番と、協力会社に伝えること
始め方の順番(差し戻しの実例を集める → 対象を1つに絞る → 過去の書類で測る → 協力会社に伝える → 1現場で一覧方式 → 書くもの・記録するものへ広げる)
| 順番 | すること | 決めること・出来上がるもの |
|---|---|---|
| 1 | 直近3か月の差し戻し・是正の実例と、元請の確認観点を集める | 自社の「差し戻しの典型」の一覧 |
| 2 | 対象を1つに絞る。多くの会社では施工体制台帳・作業員名簿の点検 | 対象の書類と、判定基準8つの自社版 |
| 3 | 過去の書類(半年分程度)でAIの下書きと点検を試す | 見逃しと拾いすぎの数字 |
| 4 | 協力会社に「様式も入力も変えない」と伝え、提出の経路だけ決める | メール・写真・紙のスキャンのどれでも受ける窓口 |
| 5 | 1現場で本番に乗せ、元請の確認を一覧方式に変える | 確認にかかった時間と差し戻し件数の記録。提出の判断は人、根拠は各行に残す |
| 6 | 工事条件から書くもの(安全衛生計画・KY)と、記録の矛盾検出へ広げる | 過去の計画と要領を根拠にした下書き。現場固有の危険は人が加筆 |
協力会社に伝えることは3つに絞ります。「様式は今のまま」「新しい入力はない」「不足があれば一覧で早く返す」。3つ目が協力会社にとっての得です。差し戻しが提出の翌日に箇所を示して返ってくるなら、職長の夕方は短くなります。
持ち帰りチェックリスト
- 自社の現場で使う安全書類の様式は、全建統一様式か、元請・発注者ごとの独自様式か
- 「期限のある資格」と「期限のない資格」の区別が、担当者の間で揃っているか
- 社会保険の適用除外の扱い(一人親方・短期雇用など)を、規程で決めているか
- 健康診断の結果や保険証の写しなど、個人情報をどこに置き、誰が見られるかを決めているか
- 元請の確認観点(体制・人・機械・整合)を、判定基準として文章にできるか
- 日報・名簿・KY記録・教育記録のうち、どれとどれを突き合わせたいかを決めているか
- 「提出の判断は人」の人が誰かを、現場ごとに決めているか
- 見逃しと拾いすぎを、どの数字で測るかを決めているか
よくある質問
協力会社が紙や写真で出してきます。それでも使えますか
使えます。むしろそれが前提です。入ってくるのは紙のスキャン、スマートフォンの写真、各社のExcelで、AI側が読み取り、読めなかった箇所は「読めない」と一覧に出します。読めない率が高い書類は、撮り方(影・傾き・端の欠け)を一言伝えるだけで下がります。様式を変えるのではなく、撮り方を揃えるのが先です。
健康診断の結果や保険証の写しをAIに読ませてよいのですか
扱いを先に決めれば使えます。名簿の確認に必要なのは「受診日」「加入の有無・事業所番号」であって、健診の所見や保険証の記号番号ではありません。読み取る項目を必要な範囲に限る、マイナンバーは収集しない(作業員名簿に記載する必要はありません)、原本は自社の環境内に置く。この3つを決めてから始めます。
KY記録をAIが下書きすると、形だけのKYになりませんか
AIが出すのは「この工種・この機械・この季節で、過去に挙がった危険と対策」の候補であって、当日のKYそのものではありません。朝のTBMで職長が候補を見ながら「今日は隣で別業者がクレーンを使う」「昨日の雨で足元が悪い」と足す。この加筆がKYの本体で、人が決める線の内側です。毎朝ゼロから書く負担が減る分、現場固有の危険に時間を使えます。
安全書類は、現場の安全を守る仕組みであると同時に、現場の時間を守る仕組みにもなります。
Wizitでは、安全書類を含む施工準備の書類を、御社の要領と過去の書類で検証しながら本番に乗せています。詳しくは工事現場のAI化をご覧ください。写真台帳の側から同じ考え方を書いた「工事写真台帳の作成にAIを使う前に決めておく5つのこと」もあわせてご覧ください。
Wizitではどう進めるか
この記事の3つの種類の分け方と判定基準は、Wizitが施工準備の書類として引き受けている内容です。協力会社の提出書類を読み取って施工体制台帳と作業員名簿を作り、期限切れ・不足・不一致を一覧にし、安全計画やKY記録を過去の計画と要領を根拠に下書きします。協力会社には様式も入力も変えてもらわず、提出の判断は元請の担当者に残します。
最初に行うのは現場アセスメントです。数週間で御社の要領と過去の安全書類を見て、最も重い書類から入口を決め、判定基準を一緒に合意します。そのうえで1つの現場で本番に乗せ、確認にかかった時間と差し戻しの件数を記録しながら、他の現場と拠点に広げます。費用は、導入支援が人月、拠点への展開が拠点数に応じた月額、本番後の継続評価が月額です。
工事現場のAI化/サービス(進め方と費用の形)/現場アセスメントを相談する
出典:
- 建設業法 第24条の8(施工体制台帳及び施工体系図の作成等)、第22条(一括下請負の禁止)、建設業法施行令 第7条の4(施工体制台帳を作成すべき下請契約の金額)— e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/
- 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 第15条(施工体制台帳の提出等)— e-Gov 法令検索
- 労働安全衛生法 第28条の2(危険性又は有害性等の調査)、第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)、第59条(安全衛生教育)、第61条(就業制限)、第66条(健康診断)— e-Gov 法令検索
- 労働安全衛生規則 第44条(定期健康診断)・第45条(特定業務従事者の健康診断)、クレーン等安全規則(移動式クレーン検査証の有効期間)— e-Gov 法令検索
- 電気工事士法 第4条の3(第一種電気工事士の定期講習)— e-Gov 法令検索
- 国土交通省「施工体制台帳の作成等について」および建設業法施行規則の改正(作業員名簿に関する記載事項の追加、2020年10月施行)に関する公表資料 — 国土交通省
- 一般社団法人 全国建設業協会「全建統一様式」(労務安全関係書類の標準様式)
- 厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」、建設業の時間外労働の上限規制に関する公表資料 — 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/