グリーンファイルの書類一覧 ― 全建統一様式の主な様式と、元請・協力会社の役割、よくある不備

2026.11.0616分

この記事で分かること

グリーンファイル(安全書類)の書類一覧を、全建統一様式の様式ごとに整理しました。各書類を誰が作り誰に出すか、記載項目、根拠になる建設業法・労働安全衛生法の条文、差し戻される典型的な不備5つ、揃える手順、AIで点検できる範囲を、持ち帰りチェックリストとよくある質問付きで解説します。

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2026.11.06
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来週から新しい現場に入る協力会社の事務所で、元請から届いたメールを開くと「新規入場の3日前までにグリーンファイル一式を提出してください」とあります。添付されているのは様式の一覧表と、Excelの様式集。前の現場で出した書類を探して日付と現場名を書き換えればよいのか、今回の工事で新しく要る書類があるのか、一覧を見ただけでは分かりません。

グリーンファイルは、元請の現場に入る前に協力会社が出す書類の束の通称です。「安全書類」「労務安全書類」とも呼ばれ、綴じる表紙が緑色だったことからこの名で呼ばれるようになったと言われています。中身は、どの会社がどの階層で施工するかを示す施工体制の書類と、誰が、どの資格で、どの機械や材料を持ち込んで働くかを示す労務・安全の書類です。

この記事は、今日グリーンファイルを作る人、または協力会社から受け取って確認する人に向けて書きます。全建統一様式の主な書類の一覧、書類ごとに誰が作り誰に出すか、根拠になる条文、差し戻される典型的な不備、揃える手順を順に整理します。AIの話は、点検と下書きに使える範囲を1つの章で扱うだけにします。

01グリーンファイル一覧の前に ― 何の書類で、誰が作り、誰に出すか

グリーンファイルという名前の書類が法令で決まっているわけではありません。法令が決めているのは、元請が施工体制台帳を作ること(建設業法第24条の8)、元請が現場全体の労働災害を防ぐための措置を取ること(労働安全衛生法第30条)、事業者が作業員に教育を行い、資格の要る作業には資格者を就かせること(同法第59条・第61条)などです。元請はこれらの義務を果たすために、協力会社から情報を集めます。その集める書類の様式を揃えたものが、グリーンファイルです。

様式は、一般社団法人全国建設業協会(全建)が作成した「全建統一様式」が広く使われています。国が参考例を示したことを受けて平成7年に初版が作られ、法令の改正に合わせて改訂が重ねられてきました。全建の刊行物の案内には「改訂6版(令和6年10月)」の様式集が載っています。ゼネコンの中には全建統一様式をもとに自社の様式を作っているところもあり、発注者が独自の様式を指定する工事もあります。まず確かめるのは、その現場の元請がどの様式・どの版を指定しているかです。

グリーンファイルは誰が作り、誰に出すか
図 1グリーンファイルは誰が作り、誰に出すか

役割の分担は次のとおりです。

立場やること主な書類
元請(作成建設業者・特定元方事業者)提出を求める書類と締切を協力会社に示す。届いた書類を確認し、不足は差し戻す。施工体制台帳と施工体系図をまとめ、現場に備え置く。公共工事では台帳の写しを発注者に出す施工体制台帳作成建設工事の通知、施工体制台帳、施工体系図、持込機械届済証、作業間連絡調整書
一次の協力会社自社の書類を作る。二次以下の会社の書類を集めてまとめ、元請に出す。下位の会社に再下請負通知の義務を伝える再下請負通知書、下請負業者編成表、作業員名簿、工事安全衛生計画書、各種の届
二次以下の協力会社自社の書類を作り、直上の会社に出す。さらに下請に出したときは再下請負通知書を出す再下請負通知書、作業員名簿、新規入場時等教育実施報告書、各種の届
作業員本人新規入場者調査票などで、健康状態・資格・緊急連絡先を本人が記入する新規入場者調査票

書類を作るのは協力会社ですが、揃っているか、中身が現場の実態と合っているかを確かめる責任は元請にあります。協力会社の側から見ると、書類は「元請に出すもの」であると同時に、自社の作業員が資格と教育を備えて働いていることを示す自社の記録でもあります。

02グリーンファイルの書類一覧 ― 全建統一様式の主な様式と記載項目

全建統一様式は、番号の付いた「様式」と、使うかどうかを元請が決める「参考様式」に分かれています。様式の番号は版によって入れ替わることがあり、特に参考様式は版ごとに番号が違います。次の表は、版をまたいで共通する書類名で整理したものです。番号は、提出先が指定する版の様式集で確かめてください。

グリーンファイルの主な書類(全建統一様式)
図 2グリーンファイルの主な書類(全建統一様式)

施工体制に関する書類

書類(全建統一様式)作る人 → 出す先主な記載項目いつ出すか
施工体制台帳作成建設工事の通知(様式第2号)元請 → 現場に掲示元請の名称、再下請負通知書の提出先台帳の作成が必要になったとき
再下請負通知書(変更届)(様式第1号-甲)下請に出した協力会社 → 元請自社と注文者、下請に出した相手の名称・許可・工事内容・工期・契約日・技術者、社会保険の加入状況下請契約を結んだとき、変更があったとき
外国人の現場入場に関する届出(様式第1号-甲の別紙)外国人を従事させる協力会社 → 元請氏名・在留資格・従事させる期間など入場の前
下請負業者編成表(様式第1号-乙)一次の協力会社 → 元請一次から下の会社の系列と、各社の工事内容・工期・責任者入場の前、編成が変わったとき
施工体制台帳(様式第3号)元請がまとめる元請と全ての下請負人の許可・工事内容・工期・技術者・社会保険着工の前、変更のたび
工事作業所災害防止協議会兼施工体系図(様式第4号)元請 → 現場に掲示各社の名称・工事内容・工期・主任技術者、協議会の組織着工の前、変更のたび

施工体制台帳と再下請負通知書の書き方、施工体系図との関係は「施工体制台帳の書き方 ― 記載項目・根拠法令・再下請負通知書との関係とよくある不備」で詳しく書いています。ここでは、グリーンファイルの中で施工体制の書類が最初に来ること、そして二次以下の会社の書類も元請まで届いている必要があることだけ押さえておきます。

人と安全衛生に関する書類

書類(全建統一様式)作る人 → 出す先主な記載項目いつ出すか
作業員名簿(様式第5号)と社会保険加入状況(別紙)各協力会社 → 一次がまとめて元請氏名・生年月日・職種・経験年数、健康診断の受診日、血圧、特殊健康診断、雇入時教育・特別教育・技能講習・免許、社会保険の加入状況、近年の版では建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者ID入場の前、作業員が増えたとき
工事安全衛生計画書(様式第6号)各協力会社 → 元請工事の概要、予想される災害と対策、安全衛生の目標と活動作業の開始前
新規入場時等教育実施報告書(様式第7号)教育を行った会社 → 元請教育の日時・場所・講師・内容、受講者新規入場の教育の後
安全ミーティング報告書(様式第8号)各協力会社 → 元請実施日、参加者、作業内容、危険の予知と対策元請の指示による(作業日ごとなど)
新規入場者調査票(参考様式)作業員本人 → 元請氏名・年齢・血液型・健康状態・資格・緊急連絡先新規入場の日
作業間連絡調整書(参考様式)元請と関係する協力会社同じ場所で作業する会社どうしの作業内容と、取り決めた安全上の事項作業が重なるとき

作業員名簿は、グリーンファイルの中で最も欄が多く、最も差し戻されやすい書類です。資格の欄は「何を持っているか」を書く欄ですが、元請が見ているのは「その人がその作業に就いてよいか」です。移動式クレーンの運転、玉掛け、高所作業車の運転、足場の組立てなど、作業ごとに必要な免許・技能講習・特別教育が違うので、名簿に書く資格は、その現場で就く作業に照らして漏れなく書きます。

持込機械・車両・火気・薬品に関する書類

書類(全建統一様式)作る人 → 出す先主な記載項目いつ出すか
移動式クレーン・車両系建設機械等使用届(様式第9号)機械を持ち込む会社 → 元請機械の名称・型式・能力、自主検査・特定自主検査の実施日、運転者の氏名と資格、点検者持込の前
持込機械等(電動工具・電気溶接機等)使用届(参考様式)機械を持ち込む会社 → 元請機械の名称・数量、絶縁抵抗や漏電遮断装置の点検結果、取扱者持込の前
持込機械届済証(様式第10号など)元請 → 機械に貼る届出を受けた日と受付番号届を受け取った後
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届(様式第11号)薬品を持ち込む会社 → 元請製品名、含まれる物質、使う場所・期間・量、保管の方法、作業主任者持込の前
工事・通勤用車両届(参考様式)車両を使う会社 → 元請車両の所有者・運転者、車種・登録番号、自賠責保険と任意保険の期間、運転者の免許入場の前
火気使用願(参考様式)火気を使う会社 → 元請の許可使う日時・場所・目的、火気の種類、消火設備、火元責任者使う前(元請が許可する)

この群の書類は、工事の内容と持ち込むものによって要るかどうかが変わります。電気工事や通信工事の会社が、溶接機は持ち込まないが高所作業車と電動工具を持ち込む、という場合、使用届は高所作業車と電動工具の分だけ要ります。前の現場の一式をそのまま出すと、要らない届が混ざり、要る届が抜けます。

03根拠法令 ― どの書類がどの条文につながっているか

グリーンファイルの各書類は、元請と協力会社が負う法令上の義務を、書類の形で確かめるためのものです。条文とのつながりを知っておくと、元請に「なぜこの欄が要るのか」と聞かれたときに答えられますし、様式が変わっても何を書けばよいかの見当が付きます。

書類つながる条文決めていること
再下請負通知書、施工体制台帳、施工体系図建設業法第24条の8、施行規則第14条の2〜第14条の7。公共工事は入契法第15条台帳の作成と備置き、下請負人の通知義務、体系図の掲示
作業員名簿建設業法施行規則第14条の2(台帳に記載する従事者の情報)作業員の氏名・生年月日・社会保険・受けた教育・保有資格など
社会保険加入状況国土交通省「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」元請が下請の加入状況を確かめ、指導すること
工事作業所災害防止協議会、作業間連絡調整書、安全ミーティング労働安全衛生法第30条、安衛則第635条〜第638条協議組織の設置と運営、作業間の連絡と調整、作業場所の巡視、教育への指導と援助
新規入場時等教育実施報告書労働安全衛生法第59条(雇入れ時・作業内容変更時の教育、特別教育)、第60条(職長教育)事業者が行う安全衛生教育
作業員名簿の資格の欄労働安全衛生法第61条(就業制限)免許・技能講習が要る業務に、資格の無い人を就かせないこと
移動式クレーン・車両系建設機械等使用届労働安全衛生法第45条(定期自主検査・特定自主検査)、クレーン等安全規則機械の検査と記録、運転の資格
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、労働安全衛生法第57条の2(SDS)物質ごとの措置、作業主任者の選任、危険有害性の情報提供
火気使用願労働安全衛生規則第279条ほか、火災・爆発の防止に関する規定危険物等がある場所での火気の使用の制限

労働安全衛生法第30条の「特定元方事業者」は、建設業などで、自らも仕事を行い、仕事の一部を関係請負人に請け負わせる元方事業者を指します。複数の会社の作業員が同じ場所で働くことから生じる災害を防ぐ責任が、元請に課されています。グリーンファイルの安全衛生の書類は、この元請の義務と、協力会社が自社の作業員に対して負う義務(教育・資格・健康診断)が重なるところにあります。

作業員名簿の記載事項は、2020年10月に施行された建設業法施行規則の改正で、施工体制台帳に記載する事項として定められました。それまで慣行として出していた名簿が、台帳の一部として位置づけられたことになります。名簿は個人情報の塊でもあるので、元請・協力会社とも、誰が見て、どこに保管し、工事が終わったらどう扱うかを決めておきます。

04差し戻される典型的な不備5つ

元請の確認や現場のパトロール、安全衛生の監査で指摘される不備は、工種が違ってもおおむね同じ形をしています。

差し戻される典型的な不備5つ
図 3差し戻される典型的な不備5つ
不備起きていること防ぎ方
名簿と現場が合わない名簿に無い作業員が入場している。名簿の所属会社が再下請負通知書に無い。応援の作業員を名簿に足していない入場の前日に、翌日入る作業員と名簿を突き合わせる。人が増えたら名簿の追加を先に出す
資格・教育の証明が無い名簿に資格名は書いてあるが、免許証や修了証の写しが付いていない。就く作業に要る特別教育の記録が無い作業ごとに要る資格を一覧にし、名簿の資格と写しを対にして揃える
社会保険の欄が空いている健康保険・年金・雇用保険の欄が空いている。加入か適用除外かの別が書かれていない保険ごとに、加入・適用除外の別と、事業所整理記号などの確認できる情報を書く
持込機械の点検記録が無い使用届に自主検査や特定自主検査の実施日が無い。検査の有効期間が工期中に切れる。運転者の資格が名簿と合わない検査記録の写しを添え、検査日から次の検査期限を計算しておく。運転者は名簿の資格と照らす
古い様式・古い日付前の現場の書類を写して、工事名や提出日、健康診断の受診日が古いまま。元請が指定する版と違う様式を使っている現場ごとに元請の指定を確かめ、日付の欄は全て書き直す

このほか、年齢の計算違いもよく見られます。作業員名簿は生年月日と年齢の両方を書く様式が多く、年齢を前の現場の提出時点のまま写すと、誕生日をまたいで食い違います。18歳未満の年少者や高齢の作業員について別の報告を求める元請もあるので、年齢は提出日時点で計算し直します。

健康診断の受診日も同じです。名簿の健康診断の欄は、受診から1年を超えていないかを元請が見ます。特殊健康診断が要る業務(有機溶剤を使う塗装など)に就く作業員は、その受診日も書きます。

05グリーンファイルを揃える手順

グリーンファイルは、入場の前に大半を揃えます。協力会社の立場で、手順を6つに分けると次のとおりです。

グリーンファイルを揃える手順
図 4グリーンファイルを揃える手順
  1. 1元請の指定を確かめる: 様式(全建統一様式か、元請の独自様式か)と版、提出先、提出の方法(紙・メール・安全書類のサービス)、締切を確かめる。元請の作業所長名、工事名、工期は元請の書類から一字一句写す
  2. 2必要な書類を選ぶ: 施工体制の書類と作業員名簿は全ての会社が出す。持込機械・車両・火気・薬品の届は、今回の工事で持ち込むもの・使うものの分だけ選ぶ。下請に出す予定があれば、再下請負通知書と編成表も用意する
  3. 3会社と人の書類を作る: 再下請負通知書、下請負業者編成表、作業員名簿と社会保険加入状況を作る。資格証・修了証・健康診断の結果の写しを、作業員ごとに揃える。二次以下の会社には、同じ締切で書類を出してもらうよう伝える
  4. 4持込・使用の届を作る: 機械は検査記録の写しを、薬品はSDSを、車両は保険の証書の写しを添える。火気使用願は、使う日と場所が決まった時点で出す
  5. 5一次がまとめて元請へ提出: 一次の会社が、自社と二次以下の書類を1つにまとめ、新規入場の前に元請に出す。元請から差し戻しがあれば、どの会社のどの書類かを特定して直してもらう
  6. 6変更のたびに出し直す: 作業員の追加、機械の入れ替え、下請負人の追加、工期の変更があれば、変更届や追加の名簿を出す。元請は施工体制台帳と施工体系図を直す

手順の中で手間がかかるのは3つ目と6つ目です。作業員が数十人いれば、名簿の欄と資格証の写し、健康診断の受診日を一人ずつ照らし合わせることになります。元請の側では、複数の協力会社から形式の違う書類が届き、名簿と入場の記録、使用届と実際に持ち込まれた機械を突き合わせる作業が、施工管理担当の夕方の仕事になっています。協力会社の様式と入力を変えずに安全書類を揃える考え方は「安全書類の作成にAIを使う ― 協力会社の様式も入力も変えずにグリーンファイルを揃える手順」で書いています。

06AIで点検・下書きできる範囲

グリーンファイルの中身を決めるのは、元請と協力会社の判断です。その作業にどの資格が要るか、持込機械を受け入れるか、火気の使用を許すか、作業員の入場を認めるかは、法令の当てはめと現場の安全の判断です。一方で、届いた書類を読み取って欄を写す、書類どうしを照らし合わせる、期限と抜けを拾う、といった照合の作業は、AIが受け持てる範囲です。

グリーンファイルの点検: 入力、AIが受け持つ仕事、出すもの
図 5グリーンファイルの点検: 入力、AIが受け持つ仕事、出すもの

入力は、現場に既に届いている書類と記録だけです。協力会社が出したグリーンファイル一式、資格証・修了証・検査記録の写し、入退場の記録や朝礼・KYの記録、そして過去にパトロールや監査で受けた指摘。AIはこれを読み取り、次のような点検をして一覧にします。

点検の観点見ること一覧に出す例
名簿と入場入場の記録に出てくる作業員が、名簿に載っているか「A社の作業員1名が名簿に無い。入場記録には2日分ある」
資格と作業名簿の職種・就く作業に対して、要る資格と証明の写しが揃っているか「B社の玉掛け作業者の技能講習の修了証の写しが無い」
期限健康診断の受診日、機械の検査日、車両の保険期間が、工期中に切れないか「C社の高所作業車の特定自主検査の期限が工期中に来る」
欄の空き社会保険、緊急連絡先、血圧など、必須の欄が空いていないか「D社の作業員3名の雇用保険の欄が空き」
書類どうしの整合名簿・使用届・再下請負通知書・施工体制台帳の会社名と人名「使用届の運転者が名簿に無い」
AIが受け持つ点検と、人が決めること
図 6AIが受け持つ点検と、人が決めること

人が決めることも、はっきり分けておきます。AIが「資格の写しが無い」と一覧に出しても、その作業員を入場させるかどうかは元請の担当者と職長が決めます。協力会社に書類の出し直しを頼む依頼文の下書きまではAIが作れますが、送るかどうか、どの順で直してもらうかは担当者が決めます。

下書き、点検、確認、受入れ、基準の更新のループ
図 7下書き、点検、確認、受入れ、基準の更新のループ

効くのは、このループを回し続けることです。パトロールや監査で指摘を受けたら、点検の項目に1行足す。次の現場では、同じ指摘になる記載が入場の前に拾われます。点検の項目ごとに根拠の条文や元請の要領を付けておくと、一覧を見た協力会社にも「なぜ直すのか」が伝わります。

始めるときは、終わった現場のグリーンファイルと、そこで受けた指摘を使います。AIが過去の不備をどれだけ拾えたか、拾い漏れたかを数えて合格の線を決めてから、1つの現場の受付に組み込みます。安全書類のサービスや施工管理ソフトを使っている会社は、それを置き換える必要はありません。そこから書き出したデータや届いたPDFを入力にして、点検の結果だけを返す形にすれば、協力会社にも現場にも入力は増えません。

07持ち帰りチェックリスト

グリーンファイルを作り始める前と、元請に出す前(元請の側は受け取ったとき)に確かめる項目です。

  • 元請が指定する様式と版、提出先、提出の方法、締切を確かめたか
  • 工事名・工期・元請の作業所長名を、元請の書類から一字一句写したか
  • 今回の工事で持ち込む機械・車両・薬品と、火気を使う作業を洗い出し、要る届だけを選んだか
  • 下請に出す会社があれば、再下請負通知書と下請負業者編成表を出し、二次以下にも提出の義務を伝えたか
  • 作業員名簿に、入場する全員が載っているか(応援の作業員を含む)
  • 名簿の資格が、各作業員が就く作業に要る免許・技能講習・特別教育を満たし、写しが付いているか
  • 健康診断の受診日が1年以内か。特殊健康診断が要る業務の作業員は、その受診日も書いたか
  • 社会保険の欄に、加入か適用除外かの別を漏れなく書いたか
  • 年齢・提出日・受診日など、日付から計算する欄を全て今回の提出日で書き直したか
  • 持込機械の自主検査・特定自主検査の実施日と、次の期限が工期中に来ないかを確かめたか
  • 有機溶剤・特定化学物質を持ち込む場合、SDSを添え、作業主任者を書いたか
  • 作業員・機械・下請負人の変更があったときに、変更届や追加の名簿を出す段取りが決まっているか

08よくある質問

Q1. 全建統一様式を使わなければいけませんか。

A. 法令で全建統一様式の使用が義務づけられているわけではありません。施工体制台帳は記載事項が揃っていれば様式は自由で、安全衛生の書類も、元請が必要な情報を集める手段として様式を定めています。実務では元請が様式を指定するので、それに従います。全建統一様式をもとにした独自様式を使う元請も多く、欄の並びや名称が少しずつ違うことがあります。

Q2. 警備会社や資材を運ぶだけの会社もグリーンファイルを出しますか。

A. 施工体制台帳や再下請負通知書に載せるのは建設工事の下請負人なので、警備や資材の納入・運搬だけを請ける会社は、その対象には含まれません。ただし、現場に入って働く以上、元請が安全管理のために作業員名簿や車両届、新規入場者調査票の提出を求めることはよくあります。どこまで出すかは元請の指示で確かめてください。

Q3. 一人親方もグリーンファイルを出しますか。

A. 一人親方も、元請や上位の協力会社から工事を請け負って現場に入る場合は、再下請負通知書や作業員名簿など、元請が指定する書類を出すのが一般的です。社会保険の欄は、雇用保険や健康保険の扱いが会社員と異なるため、加入している保険の種類を正しく書きます。労災保険の特別加入の状況を確認する元請も多くあります。実態が雇用に当たるかどうかが問われる場面もあるので、契約の形と働き方を元請と確かめておきます。

09Wizitではどう進めるか

この記事で書いた「届いたグリーンファイルを読み取り、名簿と入場、資格と作業、期限、書類どうしの整合を入場の前に点検する」仕組みは、Wizitの施工報告パックで引き受けている提出書面の点検と同じ考え方で組んでいます。施工報告パックは、現場の書類・写真・日報から、提出書面の下書きと提出前の不備一覧までを作るものです。グリーンファイルでは、協力会社から届いた様式と写しを読み取って施工体制台帳や作業員名簿の下書きを作り、根拠の条文や御社の要領つきで不足と不一致の一覧を返します。安全書類のサービスや施工管理ソフトはそのまま使い、入場や受入れの判断は元請の担当者に残します。

最初に行うのは現場アセスメントです。御社の様式と、終わった現場のグリーンファイル・入場の記録・受けた指摘をお預かりし、どの書類から入れば確かめやすいか、何件拾えれば合格とするかを一緒に決めます。そのうえで1つの現場で業務に定着させ、提出前に拾えた不備と指摘の件数を記録しながら、現場と拠点を広げます。費用は、アセスメントから導入までの支援が人月、拠点への展開が拠点数に応じた月額、導入後の継続評価が月額です。工事施工の書類全体での進め方は工事現場のAI化にまとめています。

施工報告・写真台帳のAI/サービス(進め方と費用の形)/現場アセスメントを相談する

出典

  • 建設業法 第24条の8(施工体制台帳及び施工体系図の作成等)(e-Gov法令検索: https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 )
  • 建設業法施行規則 第14条の2〜第14条の7(施工体制台帳の記載事項、再下請負通知、施工体系図、備置き)(e-Gov法令検索: https://laws.e-gov.go.jp/law/324M50004000014 )
  • 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 第15条(施工体制台帳の作成及び提出等)
  • 労働安全衛生法 第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)、第45条(定期自主検査)、第57条の2(文書の交付等)、第59条・第60条(安全衛生教育)、第61条(就業制限)(e-Gov法令検索: https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057 )
  • 労働安全衛生規則 第279条、第635条〜第638条、クレーン等安全規則、有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則(e-Gov法令検索)
  • 国土交通省「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」
  • 一般社団法人全国建設業協会「全建統一様式」および刊行物案内「(改訂6版(令和6年10月))全建統一様式 様式集」(https://www.zenken-net.or.jp/book/book_d.php?id=176 )
  • 山口県 公表資料(全建統一様式の作業員名簿の記載例の改正。令和4年1月1日適用、CCUS技能者IDの欄の追加:https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/105209.pdf )

発行: 株式会社Wizit。記事の内容に誤りがありましたら、お問い合わせからお知らせください。

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