シカゴに渡航・滞在予定のある人は、シカゴの治安が気になるのではないでしょうか。アメリカは広く、治安の悪い地域もありますので、現地の治安状況を確認した上で安全に気を配って滞在することが望ましいです。
そこで本記事では、シカゴ全体の治安状況に触れながら、エリア別の治安を解説するとともに、注意したほうがよいスポットや、シカゴで安全な滞在をするために覚えておきたいポイントなどについて解説します。ぜひ参考にしてください。
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シカゴの治安状況
アル・カポネに代表されるように、昔のシカゴはマフィアによる犯罪が横行する危険な地域として知られていました。しかし現在はアメリカの大都市の中でも比較的治安に不安のないエリアとなっており、多くの日本人が滞在しています。
日本と比較すると犯罪発生率は高いですが、2012年以降は犯罪発生率が減少しつつあり、コロナ禍以降はさらに犯罪の発生率は減少しています。しかし、日本と比べると犯罪発生率はかなり高いのが現実です。
殺人、性犯罪、強盗、放火、暴行・傷害などの犯罪を凶悪犯罪、空き巣や車上荒らしなどの窃盗に関わる犯罪を窃盗犯罪と分類した場合の、2020年の犯罪発生数を日本と比較してみます。
地域 | 凶悪犯罪 | 窃盗犯罪 |
シカゴ | 990.8件 | 2,166.9件 |
アメリカ平均 | 411.7件 | 1,958件 |
日本平均 | 46.5件 | 330.6件 |
※10万人あたりの犯罪発生数
※データ引用元:School With
上の表を見てわかるように、凶悪犯罪、窃盗犯罪ともにシカゴの犯罪発生数は日本の平均犯罪発生数をはるかに超えています。
また、シカゴはエリアやスポットによって治安状況に大きく差がある都市でもあります。観光エリアはスリやひったくりなどの犯罪が多発しているので、治安がよくなりつつあるとはいえ滞在時は注意が必要です。
また、頻繁ではありませんがデモやストライキが発生しています。2020年に発生した黒人男性死亡事件が発端となり、大規模なデモが2週間近く行われ、夜間外出禁止令が発令されました。2022年には労働者が労働条件を巡ったデモを開き、45日間シカゴ内での道路工事が多数停止されるなど、社会情勢やそのほかの原因にもとづくデモがいくつも発生しています。
こうしたデモやストライキの情報は、「海外安全ホームページ」にて情報を得ることができます。渡航前にチェックをして、シカゴの治安状況を確認した上で渡航すると安心です。
エリア別シカゴの治安
シカゴはエリアによって治安の悪い地域と比較的安全な地域に分かれます。シカゴを大きく3つのエリアに分けて、それぞれの治安状況について以下に解説します。
ダウンタウン
旅行者の多いダウンタウンは犯罪率が高いといわれています。特にダウンタウンの中心エリアに近づくほど、その数が増加します。
観光地周辺はスリやひったくりなどの犯罪が発生しやすいですが、人通りが多く、おしゃれなエリアは比較的安全です。西側のエリアは、観光地で人通りの多いところもありますが、路地裏などはホームレスがいるなど治安が悪くなるので、立ち入らないように注意してください。
北部
ダウンタウンと比較すると治安はよいといわれています。レイクフォレストという高級住宅地があるのもシカゴ北部になり、このあたりは比較的安全です。ただし、ノースシカゴよりさらに北に向かい、ウィスコンシン州南部までのエリアは治安が悪いといわれています。
シカゴ北部に限らずですが、治安がよいとはいえ夜の1人歩きは危険です。
南部
シカゴ南部もダウンタウン同様観光客が多いエリアになるため、犯罪発生率が上がります。また、観光エリア以外でも治安の悪い場所として知られているため、1人で訪れないことはもちろん、必要がなければ近づかないほうよいかもしれません。
シカゴ南部にはシカゴ大学があり、この周辺は比較的安全です。しかしシカゴ大学からさらに南に行くとシカゴでもっとも治安の悪いエリアになるのでくれぐれも注意してください。
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シカゴの危険な場所
シカゴの治安をエリア別に把握できたところで、それぞれのエリアにおける治安の悪いスポット、注意が必要なスポットを以下に解説します。
ウィルソン駅
ベースボールチームであるカブスの本拠地、リグリーフィールドから電車で2駅先のウィルソン駅は、近くにホームレスの保護施設があるため、失業者などが集まっています。日中駅を利用する分にはさほど危険はありませんが、夜は治安が悪くなります。
カブスの試合を観に行った際に駅を降り間違える、乗り過ごすといったことのないように気をつけましょう。ウィルソン駅より北側に行くにつれて、さらに治安が悪くなりますので、この点も注意して行動してください。
ワシントンパーク
ワシントンパークは、麻薬の売買や売春などの犯罪が多数発生しているシカゴでも治安が悪いことで知られているエリアです。シカゴ内の犯罪発生率が2位と、発砲事件も何度も起こっているため、できるだけ立ち入らないほうがよいでしょう。
ワシントンパーク駅にはアフリカ系アメリカ人博物館があります。博物館を訪れる際には、タクシーやウーバーを利用して直行しましょう。そのほかに大きな観光スポットはないので、できるだけ足を運ばないことが賢明です。
ハンボルド・パーク
シカゴのおしゃれエリアとして知られるウィッカーパークを西に進んだところにあるハンボルド・パークは、公園などもありますが危険な場所もあります。
整備された道を歩いている分には危険は少ないですが、少し脇道に入ると壊れた車が放置されているなど危ない雰囲気になってきます。ハンボルド・パークから南に行くと麻薬常習者の多いエリアになり、銃撃事件も多発しています。
壊れた車のある場所
エリアごとのスポットとは別に、壊れた車のある場所にも注意が必要です。特に破壊された高級車があるような場所は、盗難車だったり、車上荒らしの跡である可能性があります。
そのほか、鉄格子や落書き、道が荒らされているような場所も危険性が高いので、日中でも近づかないようにしましょう。
シカゴでよく発生している犯罪
シカゴで多く発生している犯罪を理解しておくことで、その犯罪に遭うことがないように注意して行動できます。以下に、発生率の高い犯罪について解説します。
スリや置き引き
シカゴに限らずですが、観光客の多い場所ではスリや置き引きといった犯罪が多発しています。特に空港やホテルのロビー、観光地で発生することが多いため、これらの場所では貴重品の管理を徹底しましょう。
観光地は人が多くて安全な場合もありますが、スリは人混みの中で遭うケースが多くあります。人が多いからといって安心しないように気をつけてください。
ひったくり
シカゴではひったくりの被害に遭う人もいます。信号待ちをしている歩行者を狙って、バイクでバッグをひったくるケースもあれば、車で信号待ちをしている横に車をつけて、助手席を開けて貴重品を奪っていくという強引なケースもあります。
スマホを持って景色を撮影しているところを狙い、スマホを奪って逃走するひったくり事件も多いので、屋外でのスマホの取り扱いには注意しましょう。
車上荒らし
駐車している車の窓ガラスを割り、貴重品を奪う車上荒らしも治安の悪いエリアでは多発しています。中には信号待ちや停止中の車を強引に開け、乗車している人を暴行する事件も発生しています。
車に乗っていても犯罪に遭ってしまう可能性があるので、治安の悪いエリアには車でも近づかないほうがよいかもしれません。
シカゴに滞在する上で気をつけるべきこと
安全にシカゴ滞在を楽しむためにはどのような点に気をつければよいか、多発している犯罪に触れながら考えてみましょう。
常に危険を意識して行動する
スリやひったくりといった犯罪は、いつどんなタイミングで被害に遭うかわかりません。鉄道で移動中に駅で遭うかもしれませんし、道路で信号待ちをしているときに遭うかもしれません。いつ被害に遭いそうになっても迅速に適切な対応ができるように、常に危険を意識して行動するように心がけましょう。
バッグはしっかり手に持つ、リュックサックなら荷物を背中側にしないようにするなど、貴重品をしっかり管理していることが周囲に伝われば、犯罪者から狙われにくくなります。また、万が一被害に遭ってしまったときのことを考えて、必要以上に現金を持ち歩かないことも重要です。カードであれば被害に遭ったときにすぐ利用を停止すれば、被害を最小限に抑えられます。
被害に遭ってしまったときは、盗られた物を取り返そうと追いかけ過ぎてはいけません。治安の悪いエリアでは、銃の不法所持をしている人もいます。最悪の場合、しつこく追いかけ過ぎて銃で撃たれてしまう可能性もあるのです。
見知らぬ外国では常に危険が潜んでいるものと心得て、ある程度緊張感を持って行動しましょう。
管理者が常駐している駐車場を利用する
長期滞在で車を利用する場合は、常に管理者がいる駐車場を利用することをおすすめします。管理者が常駐していれば、車上荒らしなどの犯罪が起こりにくくなります。
逆に、移動中にどこかへ立ち寄る際に人気のない場所に路上駐車をする、管理者のいない駐車場に停めるといったことをしてしまうと、車上荒らしに遭いやすいので気をつけましょう。
また、車上荒らしは車内に人がいないときだけ被害に遭うとは限りません。車に乗っていても、強引にドアを開けて貴重品を奪う、車上荒らしならぬ強盗事件も発生しています。最近は乗車後自動的にロックのかかる車が多いですが、そうでない場合はしっかりロックをかけて運転する、外からバッグなど貴重品が見えないようにするなどの配慮が必要です。
走行中に窓を開けることも、犯罪者の手が入りやすいため好ましくありません。停車中はもちろん、移動中も窓は必ず閉めておくこと、ちょっと車から離れるだけだとしても必ずロックをすることを心がけ、車上荒らしの被害を防ぎましょう。
女性の1人歩きはNG
シカゴに限らず、女性の1人歩きはさまざまな面から危険が生じます。スリやひったくりはもちろん、性犯罪に巻き込まれる可能性もありますので、夜間に限らず日中も女性1人で歩くことは避けましょう。夜間は外出を控えるのが賢明です。
シカゴで発生しているレイプ犯罪は、治安のよいといわれる住宅街でも起こっています。1人で歩かないことはもちろんですが、暑い時期でも露出の多い服装は避け、派手なファッションも避けることが望ましいです。
旅先では現地の人をはじめ、同じく旅行者とのコミュニケーションを取ることも楽しみのひとつです。しかし相手が安全な人であるかはわかりません。女性1人でむやみに知らない外国人とコミュニケーションを取ることも控えたほうがよいでしょう。
犯罪を予防しながらシカゴ滞在を楽しもう
シカゴは近年治安がよくなりつつあり、昔と比べて安全に滞在できると思われます。しかし日本と比較して犯罪発生率がはるかに高いのは事実です。常に危険と隣り合わせであることを自覚し、移動中や観光中も犯罪に遭わないように適度な緊張感をもって滞在を楽しんでください。
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