ローマやベネチア、フィレンツェ、ミラノ、ナポリ、アマルフィまで、イタリアには食の都や風光明媚な観光都市が数多くあります。優れた絵画や彫刻、遺跡、劇場も多いため、ヨーロッパ屈指の人気旅行先と言えるでしょう。
旅行や留学で気になるのが、イタリアの物価。日本と比べて物価はどれくらいなのでしょうか?
この記事では、イタリアの物価や日本との比較、安く滞在する方法を紹介します!
イタリアの物価はどれくらい?日本より高い?
イタリアの物価は日本と同程度でしたが、2022年以降は急速に円安が進行したため、やや高めになりました。
ホテルはリーズナブルなものでも、1室の宿泊費は10,000円程度かかります。特にローマやベネチアなどの人気都市ほどホテル代は高くなります。
1ユーロは147円
対ユーロに対する円安は進行しており、2023年4月に入って1ユーロは147円前後で推移しています。2020年は120円前後で推移していました。1.2倍以上になっています。それだけ物価高になると考えましょう。
為替相場の予想は難しいですが、円安が進行している背景の一つに日本の金融緩和継続があります。欧米は利上げに動いており、日本はその反対に進んでいます。つまり、日本が金融緩和を継続している限りは、円安が修正されません。
日本銀行は金融緩和継続の意向を示しています。円安はしばらく続くかもしれません。
イタリアの物価事情
観光地の値段から見てみましょう。ローマのコロッセオの入場料は12ユーロ。1ユーロ147円換算で、1,764円です。ピサの斜塔は18ユーロで、2,646円です。
遺跡への入場料が2,000円から3,000円近くかかると、少し高いと感じる人が多いのではないでしょうか。なお、1ユーロ120円の時代であれば、ピサの斜塔の入場料は2,160円でした。
イタリアは観光地が多く、入場料だけで1万円がすぐになくなってしまいます。計画的な観光地巡りをおすすめします。
飲食店も高めの印象です。イタリアのレストランで、パスタとワインを味わいたいと思う人は多いでしょう。ローマやナポリなどの平均的なレストランで、パスタ1皿とワイン1杯を注文すると、席料を含めて20ユーロはかかります。2,940円です。
そこそこのレストランであっても、ランチで3,000円はかかります。観光都市から外れてリーズナブルな食堂のリゾットが10ユーロ程度。それでも1,470円かかります。
イタリア旅行では、安くできるものは可能な限りカットし、食や文化(音楽・芸術・観光など)といった貴重で贅沢をしたいところに、お金をかけるのがいいでしょう。
イタリアの物価を日本と比較しながら具体例で紹介
次にイタリアの滞在に必要な費用を、日本と比較しながら見てみましょう。
宿泊費
ローマやベネチア、フィレンツェなどの主な観光都市のホテルと、東京の宿泊費の比較です。
イタリア | 日本 | |
リーズナブルなホテル(日本のビジネスホテルクラス) | 10,000円~15,000円 | 6,000円~10,000円 |
スタンダードなホテル(日本のシティホテルクラス | 30,000円~40,000円 | 15,000円~20,000円 |
ラグジュアリーホテル | 100,000~ | 60,000円~ |
なお、イタリアの主な都市では宿泊税が徴収されます。自治体に払うもので、宿泊人数と宿泊日数で計算します。宿泊する場所によっても異なりますが、1~5ユーロ程度です。ホテル代と一緒に支払います。
これを知らないと、支払いの際に違和感があるかもしれません。金額は大きくありませんが、宿泊税が発生することを覚えておきましょう。
食費
食費の比較をしやすいものとして、マクドナルドのビッグマックを比較しましょう。イタリアではビッグマックセットが6.9ユーロ。1,014円です。日本はランチ価格で650円。おおむね、食事においてはこのくらいの価格差が生じると考えてください。
イタリア | 日本 | |
朝食 | 1,500円 | ~1,000円 |
昼食 | 3,000円 | 500円~1,200円 |
夕食 | 5,000円~10,000円 | 3,000円~8,000円 |
交通費
イタリアは公共交通機関が発達しています。75分間有効のチケットが、1.5ユーロ(221円)で販売されています。タクシーではなく、公共交通機関を活用して観光すると、旅費が大幅にカットできます。
イタリア | 日本 | |
公共交通機関 | 221円※75分間有効の公共交通機関向けチケット | 150円※山手線1区画 |
タクシー初乗り | 441円 | 410円 |
観光費
観光地の入場料の比較です。主な遺跡、美術館に入るのに必要な金額です。
イタリア | 日本 | |
遺跡 | 2,646円※ピサの斜塔 | 700円※松本城 |
美術館 | 2,499円※バチカン美術館 | 500円※国立西洋美術館常設展 |
通信費
留学や長期滞在で気になるのが通信費。実はイタリアは日本よりも安い傾向があります。イタリアで知名度が高いティムの20GBの通信費は10ユーロ(1,470円)。ドコモの格安プラン「ahamo」でも、20GBの通信費は2,980円です。
ヨーロッパを中心に、通信会社の価格競争が激しいことが背景にあります。
お土産費
イタリア旅行のお土産の定番といえばパスタ。イタリアのパスタメーカーで有名なのがバリッラです。街角の食材店などで買うことができ、500gで0.7ユーロ(103円)程度で手に入ります。
豪華なお土産でなければ、安価に手に入るでしょう。
ベネチアングラスのように希少性の高いものとなると、100ユーロ(14,700円)以上のものがほとんどです。中には500ユーロ(73,500円)のものもあります。
美しいベネチアングラスですが、偽物を観光客に売りつけようとする店もあるため、注意してください。
イタリア行きの航空券はいくら?
イタリアは4月から9月までがハイシーズンだと言われています。冬がオフシーズンです。
多くの観光地にある飲食店は、冬季に店を閉めることが多く、美術館などの観光施設も開館時間を短くすることがあります。
春から秋にかけては天候の良い日が続き、過ごしやすい気候の中で観光が楽しめます。街にも活気があり、映画やドラマで観たイタリアの光景が広がっているでしょう。
ただし、飲食店やホテルは価格を上げる傾向があり、観光地は混雑が予想されます。
ハイシーズン
春から秋にかけてのイタリアへの航空機代は、20万円程度だと考えてください。発着便の多いローマへのチケットはやや安い傾向があります。
オフシーズン
オフシーズンのチケットは高くても15万円程度で手に入ります。乗り継ぎがある便であれば、10万円を下回る価格で買えることもあります。
イタリアの物価は日本より高い|旅費を安く抑える3つのポイント
イタリアの物価は高いことがわかりました。それでも、イタリアの食や文化への憧れは消えないもの。少しでも安く旅行する3つのポイントを紹介します。
- オフシーズンを狙う
- 本当に見たい観光地だけに絞る
- 宿泊費はAirbnbを活用して抑える
オフシーズンを狙う
渡航費を抑える鉄板とも言える方法が、オフシーズンに訪れることです。日本では、12月に長期の休みを取りやすい人がほとんどですが、この時期はイタリアの閑散期に当たります。
更に1月に入るとイタリアの観光客は一層少なくなります。休みが取りやすいオフシーズンのイタリア旅行は狙い目でしょう。
オフシーズンはホテルや人気レストランの予約を取りやすく、観光地も人が少ないので待ち時間も短くて済みます。
ただし、イタリアの冬は氷点下になることが多く、冷たい雨が降る日が続くこともあります。雨具や防寒対策を忘れないようにしてください。
本当に見たい観光地だけに絞る
遺跡や美術館、劇場、ビーチなどの訪問したい場所を絞り込むことも重要です。そうはいっても、魅力的な観光地が多いイタリア。計画にはあれもこれもと盛り込んでしまいがちです。
計画を立てるおすすめの方法は、旅行のテーマを決めることです。例えば、「イタリアの美味しいものを食べつくす」という目的を決めてしまいます。
そうすると、ローマ、ナポリ、フィレンツェなどと訪問する都市が決まってきます。ローマとナポリのピザの違いを楽しむ、フィレンツェでトスカーナ地方の伝統料理を堪能するなど、どのお店に行くべきかも検討をつけやすくなります。
観光にあまりお金をかけなければ、レストランやカフェ、バールへの出費を多くすることができます。
おすすめしないのが、有名な観光地を一通り巡り、そこそこのレストランで料理を食べて、普通のホテルに泊まるといった、具体的なテーマに欠けているもの。費用が想定していたよりもかかってしまううえ、どんなスタンスで観光を楽しんで良いのかがわからず、中途半端に終わることがよくあります。
綿密な計画を立てる必要はありません。ただし、テーマを決めておきましょう。
宿泊費はAirbnbを活用して抑える
Airbnbを活用するのもリーズナブルに旅行をするコツです。
別荘などの一軒家を一人一泊10,000円~20,000円程度で利用することができます。長期宿泊を促している施設が多く、観光地を巡る拠点として使うのにも便利です。
古城や農園、納屋、塔などのイタリアらしい物件を貸し出しているオーナーも見られます。貴重な建物ほど高額になりますが、唯一無二の宿泊体験ができるでしょう。旅のテーマがイタリアの文化に触れるというものなら、宿泊場所にこだわるのも旅の楽しみの一つです。
日本語で物件の内容を確認できるため、予約もスムーズに行えるでしょう。ただし、オーナーとのコミュニケーションが上手くいかず、当日にカギの受け渡しができなかったなど、トラブルも起こります。
オーナーとの直接のコミュニケーションは英語が中心。最低限の英語スキルは身に着けておいてください。
また、イタリアに多い石造りの住宅は夏に涼しく、冬は寒いという特徴があります。空調設備も充実していないことがあるため、夏でもある程度の防寒対策をした方が良いでしょう。
補足:イタリアの治安は悪い?旅行で気をつけるべきことを解説
イタリアはさほど治安は悪くありません。ただし、2022年の「世界平和度指数」は32位。日本は10位でした。イタリアはイギリスやギリシャよりはランクが上ですが、決して安全な国とは言えないことに注意しましょう。
治安は悪くはないがスリや置き引きに注意
注意したいのは、スリや置き引きです。イタリアはスリ大国とも言われており、カバンやポケットなどから財布を抜き取る被害が多発しています。
常習犯は日本人が安全対策意識に欠けていることを熟知しており、日本人を専門的に狙う人もいます。
最近は手口が巧妙化しており、黙って財布などを抜き取るケースは減りました。多いのが、見知らぬ人が突然声をかけ、財布や現金を抜き取るというもの。私服警察官に扮して財布とパスポートを見せるよう指示し、気を取られている隙に現金を抜くというのが、よく見られる手口です。
イタリアで私服警察官が単なる旅行者に声をかけ、身分証明書の提示を求めることはまずありません。怪しい人物が近づいた場合は無視をするのが一番の対策です。しつこくつきまとってくるようなら、「ポリス」などと大声で助けを求めるのが有効です。
トランクやスーツケースは目立つ色のカギをかけ、簡単に中身が取り出せないことをアピールしましょう。目立つようにカギをかけるのがポイントで、防犯意識が高いことを示すと、スリが寄ってこなくなります。
トイレは有料の場合が多い
イタリアの公衆トイレは1ユーロ程度で有料であることがほとんどです。しかも、公衆トイレはどこにでもあるわけではありません。観光地などの一部に限られています。日本のようにトイレが充実していないことに注意してください。
イタリアの公衆トイレは清潔感に欠け、電気がつかない、ドアが閉まらない、カギがかからないといったことも頻繁に見られます。外には安心して用を足せる場所はほとんどありません。
また、自由に出入りできる複合施設やコンビニ、ビルもありません。ホテルや飲食店の外でトイレを探すのは骨が折れると考えてください。
レストランのチャージと水に注意
イタリアのレストランではチャージ料が発生します。いわゆる席料です。
観光地にあるレストラン、バールなど多くの飲食店ではチャージ料を徴収します。チャージ料はメニューに記載されていないことがほとんどで、支払いの際に料理の代金に上乗せされます。チャージ料がかかることを知らないと驚くかもしれません。
レストランの水道水は基本的に無料ですが、高級レストランでカラフェに入っているような水は有料であることがほとんどです。
レストランではチップの義務はありません。その文化も浸透しておらず、なくて当たり前と考えている人が一般的です。その代わりが、チャージ料だと言えます。
イタリアの物価は日本よりも高め
円安の進行で、イタリアの物価は高くなりました。感覚的には日本の1.5倍から2倍程度でしょう。イタリアを訪れたら食を楽しみたいと考える人が多いはずですが、レストランの値段は驚くほど高くなっています。円安が進行する前は、日本と同程度と言われていました。
イタリア旅行はテーマを決めて、メリハリをつけた計画を立てましょう。それが旅行を楽しむ一番のコツです。
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