コールセンターの応対支援AIエージェントを業務に定着
オペレーターの横で、顧客の質問にリアルタイムで回答候補と根拠(社内規程・料金プラン)を提示するAIエージェント。試作では一見正しく動いたが、実際の問い合わせログでは料金条件の取り違えが頻発。3ヶ月の出力の作り込みで誤答を実用水準まで抑え、導入した。
試作から業務に定着させるまでの課題
試作は動く
誰でもここまでは作れる
試作で停止
精度・ガバナンスで大半が止まる
業務で使える
Wizit が担う領域
背景・課題
応対品質がオペレーターの習熟度に依存し、複雑な料金・解約条件の説明で誤案内・保留が多発。生成AIで支援する構想はあったが、過去ベンダーの試作は「デモは動くが実務では使えない」と頓挫していた。
直面していた課題
- •料金・解約条件など、間違えると顧客トラブルに直結する領域での誤答リスク
- •社内規程・約款が複数システムに分散し、最新版の参照が困難
- •応対ログに個人情報を含むため、外部AIにそのまま投入できない
- •過去の試作が精度・セキュリティ要件をクリアできず業務への導入に至らなかった
Wizitのアプローチ
「実務で誤らない」を最初のゴールに据え、誤答が許されない料金・解約ドメインから着手。評価データセットを実ログから構築し、出力品質を業務水準まで作り込んだ。
進め方の詳細
- ▸Phase1: 実応対ログ300件から評価セットを作成し、誤答パターンを分類。RAGの検索対象を最新の約款・料金表に限定し、回答に必ず根拠を併記する設計に
- ▸Phase1: プロンプト・検索・後処理を反復改善し、料金条件の誤答率を評価セット上で導入基準まで低減
- ▸Phase2: 個人情報マスキングと監査ログを実装、情報システム・セキュリティ部門の導入審査を通過
- ▸Phase3: 導入後も誤答サンプルを毎週レビューし、回帰テストで品質を維持
主な技術・仕組み
- 社内約款・料金表に限定したRAG(検索拡張生成)
- 回答の根拠提示(出典ドキュメント・条文番号の併記)
- 個人情報マスキング・監査ログ
- 応対ログを用いた定期点検(回帰テスト)
この事例の仕組み
通話中、オペレーターの横でAIが回答候補と根拠(条文・料金表)をリアルタイムに提示します。
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誤らせないための作り込み(課題→打ち手)
試作止まりをどう避けたか
試作で「動く」ことは簡単だった。難しかったのは、料金プランの例外条件で誤る出力を、実ログ評価で1件ずつ潰していく工程。ここに時間とコストの大半を投じ、現場が信頼して使える水準まで引き上げた。
セキュリティ・ガバナンスへの対応
個人情報を含む応対ログを扱うため、マスキング・アクセス制御・監査ログをセキュリティ部門と共同設計。導入の審査要件を満たし、リリース承認を取得した。
成果
| 項目 | 導入後の状態 |
|---|---|
| 料金・解約説明の誤案内 | 評価セット上で導入基準を達成 |
| 平均応対時間 | 保留・確認の往復が減少 |
| 新人オペレーターの独り立ち期間 | 回答根拠が即座に参照可能に |
※ 数値は守秘のため記載していません。代表と参画メンバーがこれまでに携わった、大手企業の AI 導入プロジェクトの件数です。企業名は守秘のため伏せています。
定性的な変化
- ベテランの暗黙知が回答根拠として可視化され、応対品質のばらつきが縮小
- 「AIは現場では使えない」という社内の不信感が、実運用の結果で解消した
- 誤答レビューの仕組みが定着し、品質を維持しながら適用範囲を拡大できる土台ができた
タイムライン
Phase1 出力の作り込み: 約3ヶ月 → Phase2 セキュリティ審査・導入: 約2ヶ月 → Phase3 定期点検(運用中)
その後の横展開
同じ仕組みを別商材のサポート窓口・チャット応対へ横展開中。
※ 守秘義務により、クライアント名および特定につながる固有情報は伏せています。