【導入事例】大手金融B社 ― AIエージェントで社内問い合わせ対応を自動化。対応時間75%削減と「聞ける文化」の醸成
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導入事例 / エージェント導入事例2026.03.1812分

【導入事例】大手金融B社 ― AIエージェントで社内問い合わせ対応を自動化。対応時間75%削減と「聞ける文化」の醸成

プロジェクト概要

項目内容
クライアント大手金融機関B社(従業員5,000名超)
業界金融(銀行・証券)
対象業務社内ヘルプデスク(IT・人事・総務・コンプライアンス)
支援期間8ヶ月(2025年5月〜2025年12月)
成果問い合わせ対応時間 75%削減、社員満足度スコア 62→89

背景と課題

B社では、社内の問い合わせ対応が深刻なボトルネックになっていた。IT部門、人事部門、総務部門、コンプライアンス部門の各ヘルプデスクに、毎月合計3,000件超の問い合わせが寄せられていた。

主な課題:

  • 回答までの平均リードタイム: 4.2時間(緊急でないものは翌営業日以降)
  • FAQ検索の形骸化: 社内Wikiに情報はあるが、検索しても「見つからない」
  • 同じ質問の繰り返し: 問い合わせの60%以上が「過去に回答済み」の内容
  • ヘルプデスク担当者の疲弊: 単純な問い合わせ対応に時間を取られ、本来の業務に集中できない

> 「新入社員が入ってくるたびに、同じ質問に何十回も答えている。しかも、社内Wikiに書いてあることなのに、誰も見てくれない」── IT部門ヘルプデスク担当者

Wizitのアプローチ

Phase 1: ナレッジ棚卸しと設計(1〜2ヶ月目)

まず、4部門のナレッジを徹底的に棚卸しした。社内Wiki、FAQ集、過去の問い合わせ履歴(メール・チャット)を分析し、回答パターンを類型化。

発見した重要な事実:

  • 問い合わせの 68% が既存ドキュメントで回答可能
  • 残り 22% が「ドキュメントはあるが情報が古い・不完全」
  • 10% が本当に専門家の判断が必要なケース

この分析結果をもとに、RAG(Retrieval-Augmented Generation)ベースのAIエージェントのアーキテクチャを設計した。

Phase 2: RAGエージェント構築(3〜5ヶ月目)

技術アーキテクチャ:

  • ベクトルDB: 社内ドキュメント約12,000件をエンベディング化
  • LLM: 金融業界特有の用語・規制に対応するようファインチューニング
  • RAGパイプライン: 質問 → 関連ドキュメント検索 → 回答生成 → ソース明示
  • エスカレーション機能: AIが回答できない場合、適切な担当者に自動ルーティング

金融機関特有の要件への対応:

  • コンプライアンス対応: 回答にはすべてソースドキュメントを明示
  • 情報セキュリティ: オンプレミス環境での稼働、データの外部送信なし
  • 監査証跡: 全ての問い合わせと回答を記録・検索可能に

Phase 3: パイロット導入と全社展開(6〜8ヶ月目)

IT部門でのパイロット運用を2ヶ月実施した後、人事・総務・コンプライアンス部門に順次展開。

導入時の工夫:

  • Slack/Teams上のボットとして提供(新しいツールの学習コスト最小化)
  • 「AIの回答が間違っていたらフィードバックボタンを押す」仕組みで継続改善
  • 週次で回答精度レポートを各部門に共有し、ナレッジ更新のサイクルを確立

成果

定量成果

指標BeforeAfter改善率
平均回答リードタイム4.2時間12分95%短縮
ヘルプデスク対応工数月480時間月120時間75%削減
FAQ自己解決率15%72%4.8倍向上
社員満足度スコア62 / 10089 / 100+27pt

定性成果

  • 「聞ける文化」の醸成: AIが24時間即座に回答するため、「こんなこと聞いていいのかな」という心理的ハードルが解消
  • ナレッジの鮮度向上: フィードバックループにより、古い情報が自動的に検出・更新される仕組みが定着
  • ヘルプデスク担当者の役割変化: 単純回答から「ナレッジキュレーター」へ。より高度な問題解決に集中

Wizitの支援で重視したこと

金融機関でのAIエージェント導入で最も重要だったのは、「信頼性の設計」だ。

単に回答精度が高いだけでは不十分で、「なぜその回答なのか」を常に説明できること、間違った回答が重大な問題につながる領域では確実に人間にエスカレーションされること、すべてのやり取りが監査可能であること——これらの要件を満たすアーキテクチャ設計が、プロジェクト成功の鍵だった。

Wizitはこの「信頼性の設計」を最優先に置き、技術実装だけでなく、運用ルール・ガバナンス体制の構築まで一貫して支援した。

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