ロサンゼルスの地下鉄の料金や乗り方は?気をつけるべき3つのポイントを解説
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海外情報2023.10.2115分

ロサンゼルスの地下鉄の料金や乗り方は?気をつけるべき3つのポイントを解説

「ロサンゼルスの地下鉄を安全・お得に使いたいけれど、料金も治安もよく分からない…」という方へ。 車社会のイメージが強いロサンゼルスですが、実は渋滞を避けてスムーズに移動できる地下鉄(メトロレール)が観光の強い味方になります。

現地在住者の利用が多い一方で、観光客には「治安が心配」「乗り方が複雑そう」という不安もあるロサンゼルスのメトロ。しかし、ポイントさえ押さえて準備すれば、移動コストを大幅に抑えつつ、主要観光スポットを効率よく回ることができます。

本記事では、初めての方でも安心して利用できるよう、料金システムから具体的な乗り方、そして絶対に知っておくべき安全対策までを、現地情報を交えて徹底解説します。

この記事でわかること

  • 基本: 6つの主要路線の特徴と観光スポット
  • 料金: 均一料金1.75ドルと、1日パス・7日パスの損益分岐点
  • 実践: TAPカードの購入から改札通過、乗換までの完全ガイド
  • 安全: 「乗ってはいけない車両」や「避けるべき時間帯」のリアルな治安対策
  • 応用: 地下鉄以外のバス(Metro Bus/DASH)との賢い使い分け
  • 空港アクセス: LAXから市内への最新移動ルート
ロサンゼルス地下鉄の駅構内

ロサンゼルス地下鉄の駅構内

1. 知っておきたい基本情報と主要ライン

ロサンゼルスの地下鉄(Metro Rail)は、ダウンタウンLA(DTLA)を中心に放射状に伸びる6路線で構成されています。路線ごとに「色」が決まっているので、英語が苦手でも色を頼りに移動できます。

主要6路線の特徴と観光スポット(箇条書きで見やすく)

  • Bライン (Red): 最も利用頻度が高い観光のメインライン。ダウンタウン〜ハリウッド〜ノースハリウッドを結ぶ。観光スポット:ユニバーサル・スタジオ、ウォークオブフェイム、ドルビー・シアター。
  • Dライン (Purple): ダウンタウンからコリアタウン方面へ。UCLA方面への延伸工事中。スポット:コリアタウン、LACMA、ウィルターン劇場。
  • Aライン (Blue): ダウンタウンから南下しロングビーチへ。路面電車区間が多い。スポット:ロングビーチ、LAライブ、ステープルズセンター(クリプトドットコム・アリーナ)。
  • Eライン (Expo): ダウンタウンから西へサンタモニカビーチまで直結。観光客に大人気。スポット:サンタモニカピア、USC、自然史博物館。
  • Lライン (Gold): ユニオン駅からパサデナ・イーストLA方面。比較的治安が安定。スポット:オールドパサデナ、リトルトーキョー、チャイナタウン。
  • Cライン (Green): LAX付近を東西に走る。空港シャトルと接続。スポット:LAX空港(要バス乗継)、SoFiスタジアム(要バス乗継)。

意外と知られていない「駅のアート」

ロサンゼルスのメトロは、駅ごとに異なるパブリックアートが設置されているのも特徴です。 例えば、Hollywood/Vine駅では、天井が映画のフィルムリールで装飾されていたり、床にヤシの木が描かれていたりと、ハリウッドらしい演出が楽しめます。移動中もアート鑑賞ができるのはLAならではの楽しみ方です。

ロサンゼルスの路線図イメージ

ロサンゼルスの路線図イメージ

2. 料金体系とパスの選び方

ロサンゼルスのメトロは、距離に関わらず一律料金という非常にシンプルなシステムです。

基本料金表(シンプルまとめ)

  • 1-Way Trip (片道): $1.75(2時間以内の乗り換え無料)
  • 1-Day Pass (1日券): $3.50(当日深夜3時まで乗り放題)
  • 7-Day Pass (7日券): $12.50(最初の使用から7日間有効)
  • 30-Day Pass (30日券): $50.00(長期滞在者向け)
  • TAPカード本体: $2.00(チャージ式IC、Suicaのようなもの)

どのパスを買うべき?(損益分岐点)

  • 1日パス ($3.50): 片道$1.75なので、「往復するだけ」で元が取れます。観光で2回以上乗るなら迷わず買いましょう。
  • 7日パス ($12.50): 滞在が3日以上あり、毎日地下鉄やバスを使うならこちらがお得です。

> 注意: メトロバス(オレンジ色のバス)も同じ料金・パスで乗れますが、DASHバスBig Blue Busなどの他社運営バスには別途料金が必要です。

TAPカード券売機の様子

TAPカード券売機の様子

3. チケット購入〜乗車の完全4ステップ

日本とは少し勝手が違う部分もありますが、手順を覚えれば簡単です。

ステップ①:TAPカードを購入する

すべての駅に券売機(Vending Machine)があります。

  • 言語選択 : 画面下の「English」を選択(日本語はありません)。
  • カード選択 :
  • 初めての場合: "Buy a TAP card"(+$2かかります)
  • 持っている場合: "Reload your TAP card"
  • 運賃選択 : "Metro Pass" → "1-Day Pass" など欲しい券種を選ぶ。
  • チャージしたい場合は "Stored Value" を選択して金額を指定。
  • 支払い : クレジットカードまたは現金。
  • ※クレジットカードの場合、ZIPコード(郵便番号)を聞かれることがありますが、"99999"やホテルの郵便番号を入力すれば通ることが多いです。

【スマホ派におすすめ】TAP Appの使い方

券売機に並ぶのが面倒な場合は、公式アプリ「TAP App」を使いましょう。

  • アプリをダウンロードし、アカウント作成。
  • 「Add Card on Phone」を選択し、Apple WalletやGoogle Walletに追加。
  • アプリ上で「Stored Value」や「Pass」を購入(日本のクレカでも決済可能)。
  • 改札ではスマホをかざすだけでOK!

※ただし、スマホの充電切れには十分注意してください。

ステップ②:改札をタップ(Tap)する

改札機にある青い円形のリーダーにTAPカードを「ピッ」と音がするまでタッチします。

  • 重要: 改札ゲートがない(素通りできる)駅も多いですが、必ずタップしてください。車内検札でタップしていないことが発覚すると、高額な罰金($250〜)を科せられます。

ステップ③:ホームで電車を待つ

  • 行先確認: 同じホームに違う行先の電車が来ることがあるので、電光掲示板と車両の表示を確認します。
  • 待つ位置: 夜間や人が少ない時は、ホームの端ではなく中央付近、または他の乗客がいる場所で待ちましょう。

ステップ④:乗車〜下車

  • ドア: 自動で開きます。降りる人が先です。
  • 車内: 優先席(Priority Seating)はお年寄りや体の不自由な方に譲りましょう。
  • 下車: 車内アナウンスと電光掲示板で駅名を確認。降りる際も、改札がある場合はタップして出ます(フリーゲートの場合は不要)。
車内の様子

車内の様子

4. 【最重要】治安と安全のための3つの鉄則

「ロサンゼルスの地下鉄は危ない?」という質問への答えは、「場所と時間による」です。日本の地下鉄のような感覚で利用するのは危険です。以下のルールを徹底してください。

① 夜間の利用は避ける(特に21時以降)

日が暮れてからの地下鉄、特にダウンタウン周辺や人気のない駅は雰囲気が一変します。

  • 対策: 夜の移動はUberやLyftなどの配車アプリを利用する。数ドルの節約より安全を優先してください。

② "危ないサイン"を見逃さない

  • 車両選び: ホームレスや挙動不審な人がいる車両は避ける。乗ってしまった場合は、次の駅ですぐに車両を変える。
  • 座る位置: 出入り口付近はひったくりのリスクがあるため、なるべく奥の席へ。ただし、逃げ道は確保しておくこと。
  • スマホ: 夢中で操作しない。常に周囲に気を配り、「警戒している」雰囲気を出しましょう。

③ ホームでの飲食・居眠りは厳禁

  • LAのメトロは飲食禁止です(水も原則NG)。罰金の対象になります。
  • 居眠りは「無防備」の象徴です。スリの格好のターゲットになるので絶対にやめましょう。

5. 地下鉄以外の便利な移動手段

地下鉄が通っていない場所へは、バスを組み合わせると便利です。

Metro Bus(メトロバス)

地下鉄と同じ会社が運営。オレンジ色の車体。

  • 料金: 地下鉄と同じ$1.75。1日パスも共通で使えます。
  • 種類:
  • Local(オレンジ): 各駅停車。細かい移動に。
  • Rapid(赤): 急行。主要な交差点のみ停車。
メトロバスの停留所

メトロバスの停留所

DASH Bus(ダッシュバス)

ダウンタウンやハリウッドなどの狭いエリアを循環する小型バス。

  • 料金: 1回50セント(激安!)。TAPカードにチャージしたお金(Stored Value)で支払えますが、Metroの1日パスは使えません
  • 特徴: 観光地巡りに最適。

Big Blue Bus(ビッグブルーバス)

サンタモニカ周辺を走る青いバス。

  • 料金: $1.25。サンタモニカ〜ベニスビーチ間の移動などに便利。

6. 空港(LAX)から市内へのアクセス

LAX空港には地下鉄が直接乗り入れていません(現在、People Mover建設中)。 現時点での賢い移動方法は以下の通りです。

方法A:FlyAwayバス(ユニオン駅へ直行)

  • 料金: 片道$9.75
  • 特徴: ターミナル前から乗車し、ダウンタウンのユニオン駅までノンストップ(約30-40分)。そこから地下鉄に乗り換えるのが最もスムーズで安全です。

方法B:無料シャトル+Gバス+Cライン

  • 空港ターミナルから「Metro Connector」無料シャトルバスに乗車。
  • Aviation/LAX駅で下車。
  • Cライン(Green Line)に乗車。

※荷物が多い場合や、初めての方には乗換が複雑なのであまりおすすめしません。

7. 旅程別:賢い乗りこなしモデルプラン

プランA:サンタモニカ満喫コース(Eライン活用)

  • ダウンタウンから Eライン (Expo) に乗車(約50分)。
  • 終点 Downtown Santa Monica駅 で下車。徒歩でピアへ。
  • 帰りは夕日を見てから、遅くなりすぎないうちにEラインで戻る。

プランB:ハリウッド映画聖地巡礼(Bライン活用)

  • Hollywood/Highland駅 で下車。チャイニーズシアターやウォーク・オブ・フェイムを散策。
  • 1駅隣の Universal City/Studio City駅 へ移動し、無料シャトルでユニバーサル・スタジオへ。

8. よくある質問(FAQ)

Q. TAPカードはスマホに入れられますか? A. はい、「TAP App」を使えばiPhoneやAndroidをTAPカードとして使えます。券売機に並ぶ必要がなく、Apple Payなどでチャージできるので非常に便利です。

Q. 英語が話せなくても大丈夫? A. 駅名や路線図は色分けされており、Googleマップの乗換案内も正確なので、基本的には問題ありません。トラブル時は駅員や警察官(主要駅にはいます)を頼りましょう。

Q. スーツケースを持って乗ってもいい? A. 可能ですが、エスカレーターが故障している駅もたまにあります。また、ラッシュアワーは混雑するので、大きな荷物がある場合はUberの方が無難かもしれません。

まとめ:準備と警戒心があれば、最強の移動手段

ロサンゼルスの地下鉄は、渋滞知らずで格安という大きなメリットがあります。 「夜は乗らない」「周囲を警戒する」という基本ルールを守れば、行動範囲がぐっと広がり、より深いロサンゼルス体験ができるはずです。

旅程に合わせた最適なパスの選び方や、ホテルからの具体的なアクセス方法など、不安な点があればお気軽にご相談ください。