目次
- 1. ロンドンの物価:日本との比較(ざっくり目安)
- 2. カテゴリ別詳細:リアルな価格表
- ① 食費:外食は贅沢、自炊は味方
- ② 交通費:世界一高い地下鉄?
- ③ 宿泊費・家賃:最大の難関
- ④ 通信費(SIMカード)
- ⑤ モデル予算感(1日あたり)
- 3. ロンドン旅行をお得に楽しむ「5つの節約術」
- 術①:支払いはすべて「コンタクトレス決済」で
- 術②:世界最高峰のミュージアムが「無料」
- 術③:ミュージカルの「当日券・格安チケット」を狙う
- 術④:お水は「Tap Water」で
- 術⑤:Toogoodtogo(アプリ)を活用
- 術⑥:グループ割・学生割を使う
- 4. チップ事情
- 5. ブレグジット(EU離脱)の影響
- 6. 季節別・服装と持ち物
- 7. モデルプランと費用目安
- 8. よくある質問(FAQ)
- まとめ
「ロンドンに行きたいけど、物価が高すぎて破産しそう…」 そんなイメージをお持ちではありませんか? 確かに、近年の世界的なインフレ、エネルギー価格の高騰、そして円安の影響で、ロンドンの滞在費は日本人の感覚からすると「かなり高い」のが現実です。
しかし、ロンドンには「お金をかけるところ」と「節約できるところ」のメリハリがはっきりしているという特徴があります。仕組みさえ知っていれば、恐れることはありません。 本記事では、2025年時点の現地のリアルな物価事情(スーパーの価格から家賃まで)と、旅行者が絶対に知っておくべき節約テクニックを徹底解説します。 さらに、ブレグジット(EU離脱)後の変化や、学生向けの割引情報なども追加しました。
ロンドンのビッグベン
1. ロンドンの物価:日本との比較(ざっくり目安)
全体的に、日本の約1.5倍〜2.5倍と考えて予算を組むのが安全です。 特に「人の手がかかるサービス(外食、交通、美容院など)」は非常に高く、「生活必需品(スーパーの食材)」は意外と安い、という傾向があります。
2. カテゴリ別詳細:リアルな価格表
① 食費:外食は贅沢、自炊は味方
- 外食(ランチ): カフェのサンドイッチとコーヒーで£10〜£15(約1,900〜2,800円)。パブでフィッシュ&チップスを食べれば£18〜£25(約3,400〜4,700円)。
- 外食(ディナー): カジュアルなレストランで1人£40〜£60(約7,500〜11,000円)。ここにサービス料(12.5%〜)が加算されます。
- スーパーマーケット比較:
- Waitrose / M&S: 高級スーパー。品質は最高ですが高いです。お土産探しに最適。
- Sainsbury's / Tesco: 一般的なスーパー。価格と品質のバランスが良いです。
- Aldi / Lidl: 格安スーパー。自炊派の強い味方。
- ミールディール(Meal Deal): TescoやSainsbury'sなどの定番セット。「サンドイッチ+スナック+飲み物」で£3.5〜£5(約650〜950円)。ランチはこれで決まりです。
ロンドンのパブ料理
② 交通費:世界一高い地下鉄?
- 地下鉄(Tube):
- 現金(切符)での初乗り: £6.70(約1,200円) ← 絶対に買ってはいけません!
- オイスターカード/コンタクトレス決済: £2.70〜(約500円)
- 上限キャップ(Daily Cap): ゾーン1-2内なら、1日に何度乗っても£8.10(約1,500円)以上は請求されません。
- バス: 一律£1.75(約330円)。1時間以内なら乗り換え無料(Hopper Fare)。地下鉄より断然安いです。2階席の最前列に乗れば観光バス代わりになります。
- エリザベス線: 2024年以降、ヒースロー空港から中心部への定番。オフピークで£12〜£13台が目安(紙のチケットはさらに高い)。
③ 宿泊費・家賃:最大の難関
- ホテル: 中心部(ゾーン1)のビジネスホテルで1泊£150〜(約2.8万円〜)。
- ホステル(ドミトリー): 1泊£30〜£50(約5,600〜9,500円)。
- 家賃(長期滞在): シェアハウスの一部屋(ゾーン2-3)で月£800〜£1,000(約15〜19万円)が相場になりつつあります。光熱費の高騰も深刻です。
④ 通信費(SIMカード)
- 旅行者向けのプリペイドSIM(giffgaff, Three, EEなど)は、月10GB〜20GBで£10〜£15程度。日本より安いか同等です。空港の自販機は高いので、街中のショップで買うのがお得です。
⑤ モデル予算感(1日あたり)
- 節約派: £60〜£90(ミールディール+バス移動+ホステル)
- バランス派: £120〜£170(外食1回+地下鉄+中級ホテル)
- リッチ派: £250〜(レストラン+タクシー+中心部ホテル)
ロンドンの2階建てバス
3. ロンドン旅行をお得に楽しむ「5つの節約術」
術①:支払いはすべて「コンタクトレス決済」で
ロンドンでは、現金の出番はほぼありません。 お手持ちのタッチ決済対応クレジットカード(Visa/Masterなど)か、スマホ(Apple Pay/Google Pay)を改札にかざすだけで、最安値の運賃が適用されます。 わざわざオイスターカード(デポジット£7)を買う必要もなくなりました。
術②:世界最高峰のミュージアムが「無料」
ロンドンの素晴らしいところは、文化芸術へのアクセスが平等であること。以下の施設は常設展の入場料が無料です(寄付推奨)。
- 大英博物館 (British Museum)
- ナショナル・ギャラリー (National Gallery)
- テート・モダン (Tate Modern)
- 自然史博物館 (Natural History Museum)
- ヴィクトリア&アルバート博物館 (V&A)
これらを巡るだけで、数日間は無料で最高級のエンタメを楽しめます。
大英博物館の内部
術③:ミュージカルの「当日券・格安チケット」を狙う
ウェストエンドのミュージカルも、定価(£80〜£150)で買う必要はありません。
- TKTS(レスター広場のチケット売り場): 当日・翌日のチケットを半額近くで購入可能。
- TodayTix(アプリ): ラッシュチケット(抽選・先着)や独自セールが豊富。
術④:お水は「Tap Water」で
レストランで飲み物を聞かれた際、「Tap water, please(水道水で)」と頼めば、無料でカラフェに入れて持ってきてくれます。ロンドンの水は硬水ですが飲用可能です。無理に高いミネラルウォーター(Still/Sparkling)を頼む必要はありません。
術⑤:Toogoodtogo(アプリ)を活用
食品ロス削減アプリ。閉店間際のカフェやレストランの料理を、定価の1/3程度で「レスキュー(購入)」できます。何が入っているかはお楽しみですが、Pret A Mangerなどのパンやサンドイッチをお得にゲットできます。
術⑥:グループ割・学生割を使う
- 2FOR1: ナショナルレールの紙切符(往復やTravelcard)を持っていると、ロンドン塔やテムズ川クルーズなどが「2人で1人分」に。事前に公式サイトのクーポン印刷が必要。
- Student/Youth割: ISICカードや18-25 Railcardを持っていると、長距離鉄道や一部アトラクションで割引に。
4. チップ事情
- レストラン: 会計に「Service Charge (12.5%)」が含まれていることがほとんど。その場合は追加のチップは不要です。含まれていない場合のみ10〜15%を上乗せします。
- パブ: カウンターで都度支払うキャッシュオンスタイルの場合、チップは不要です。
- タクシー: 料金の端数を切り上げて渡す程度でOK。
5. ブレグジット(EU離脱)の影響
- 免税(Tax Free)の廃止: 残念ながら、現在イギリスでは旅行者向けの免税手続き(VAT還付)が廃止されています。ブランド品などを買っても税金は戻ってきません。
- 入国審査: 日本のパスポート保持者は「eGates(自動化ゲート)」を利用できるため、入国はスムーズです。
- 食材の価格変動: EU域外からの物流コスト増で、乳製品・野菜の価格が上がりやすい傾向。スーパーで産地と価格を見比べて選ぶのが節約のコツ。
6. 季節別・服装と持ち物
- 冬(12〜2月): 体感温度が低く雨も多い。防水ブーツと撥水アウター必須。パブやカフェは暖かいので重ね着で調整。
- 春(3〜5月): 朝晩冷える。薄手ダウン+スカーフが便利。花粉症対策も忘れずに。
- 夏(6〜8月): 暑すぎないが日差しが強い。サングラスと日焼け止め必須。公共交通は冷房弱めなのでハンディファンが活躍。
- 秋(9〜11月): 雨が増える。折り畳み傘と防水スニーカーがあると安心。
7. モデルプランと費用目安
- 1日観光モデル(節約版): ミールディール£5 + バス一日上限£5.25 + 無料ミュージアム巡り + パブで1パイント£6〜 → 計£20前後で充実。
- 3日間モデル(バランス): 3日間の地下鉄上限(約£24) + カフェ&パブで計£60 + ミュージカル割引チケット£40 + ホテル2泊£300〜 → 合計£420〜。
8. よくある質問(FAQ)
- Q: 現金はどれくらい必要? → ほぼキャッシュレス。チップ用に£20程度の現金があれば十分。
- Q: タップ水は安全? → はい、飲用可。ただし硬水なので気になる人はフィルター水を購入。
- Q: 物価が安いエリアは? → Zone2以降(カナダ・ウォーター、ストラトフォード、グリニッジ)でホテルを探すと割安。
- Q: 空港からの最安移動? → ヒースローならピカデリー線(£5〜)。荷物が少なければこれが最安。
まとめ
ロンドンの物価は確かに高いですが、そこには「文化(博物館)は無料」「生活必需品(食材)は安く」という社会のメリハリがあります。 旅行者もそのルールに乗っ取り、スーパーのミールディールでランチを済ませ、無料の博物館を巡り、バスの2階席から街並みを眺めれば、驚くほどリーズナブルに、かつ深くロンドンを楽しむことができます。
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