目次
- 1. なぜ今「両利き」なのか：VUCA時代の要請
- 1-1. 計画の陳腐化スピード
- 1-2. DXプロジェクトの複雑性
- 2. Wizit流「走りながら変える」型コンサルティングの構造
- Track 1: Discovery（探索・戦略トラック）
- Track 2: Delivery（実行・実装トラック）
- 3. 実践における3つの「神器」：モダンツール活用術
- ① Notion / Miro（情報の一元化と視覚化）
- ② Figma（プロトタイピングによる合意形成）
- ③ Slack / Teams（非同期コミュニケーション）
- 4. 両利きコンサルタントに必要なスキルセット
- 5. ケーススタディ：大手小売業のDX支援
- まとめ：走りながら考え、動きながら変える
「綺麗な戦略資料はできたが、現場は全く動いていない」 「システムは完成したが、ビジネスの要件が変わってしまい使われない」
これらは、従来の「ウォーターフォール型」コンサルティングの限界を示しています。 戦略策定（Strategy）と実行支援（Execution）が分断されていることで起きるこの悲劇を避けるために、Wizitが提唱するのが「戦略×実行の両利き（Ambidextrous）コンサルティング」です。
これは、戦略を固定的なものとして扱わず、実行からのフィードバックを受けて動的に戦略をアップデートし続ける、アジャイル時代の新しいコンサルティングスタイルです。
戦略と実行のサイクル
1. なぜ今「両利き」なのか：VUCA時代の要請
1-1. 計画の陳腐化スピード
市場環境の変化スピードが劇的に上がった現在、半年かけて作った中期経営計画が、発表時には既に時代遅れになっていることも珍しくありません。 「Planning is guessing（計画とは推測に過ぎない）」という前提に立ち、実行結果（Fact）に基づいて計画を修正し続ける能力こそが、真の競争優位性になります。
1-2. DXプロジェクトの複雑性
DX（デジタルトランスフォーメーション）プロジェクトでは、ビジネスモデルの変革とシステムの実装が表裏一体です。 「ビジネス要件が決まってから開発する」のではなく、「開発しながらビジネス要件の解像度を上げる」というアプローチが求められます。ここで、ビジネスとテックの両方の言語を話せる「両利きコンサル」が不可欠になります。
2. Wizit流「走りながら変える」型コンサルティングの構造
私たちのメソドロジーは、「Dual-Track Agile（デュアルトラック・アジャイル）」の概念をコンサルティングに応用したものです。
Track 1: Discovery（探索・戦略トラック）
* 目的: 正しい課題（Right Problem）と解決策の方向性を探る。 * 手法: デザイン思考、ユーザーインタビュー、プロトタイピング。 * アウトプット: 検証済みの仮説、更新されたロードマップ。
Track 2: Delivery（実行・実装トラック）
* 目的: 解決策を正しく作る（Build Thing Right）。 * 手法: スクラム開発、DevOps、業務フロー構築。 * アウトプット: 動作するソフトウェア、運用可能な業務プロセス。
この2つのトラックを同時に回し、Deliveryからのフィードバックを即座にDiscoveryに還流させるのが特徴です。
Dual-Track Agileの図解
3. 実践における3つの「神器」：モダンツール活用術
「両利き」を実現するためには、情報の透明性とリアルタイム性が必須です。Wizitでは以下のモダンツール群を駆使してプロジェクトを推進します。
① Notion / Miro（情報の一元化と視覚化）
分厚いPPT資料は作りません。 * Notion: プロジェクトのWiki、議事録、タスク、決定事項を全てリンクさせ、「今どこに向かっているか」を全員が常時確認できる状態にします。 * Miro: オンラインホワイトボードで、戦略図やプロセスフローをリアルタイムに共同編集。会議中に合意形成まで完了させます。
② Figma（プロトタイピングによる合意形成）
要件定義書（文字）での合意は誤解の温床です。 * UI/UXプロトタイプ: 実際の画面遷移に近いものをFigmaで作成し、ステークホルダーに触ってもらいながら要件を詰めます。これにより「思ったのと違う」という手戻りを激減させます。
③ Slack / Teams（非同期コミュニケーション）
定例会議まで待つ文化を廃止します。 * Times（分報）: コンサルタントが自身の思考プロセスや悩みをつぶやくチャンネルを作成。クライアントもそこに巻き込み、意思決定のリードタイムを極小化します。
4. 両利きコンサルタントに必要なスキルセット
戦略と実行、両方のスキルを高いレベルで保持することは容易ではありません。しかし、掛け合わせることで市場価値は指数関数的に高まります。
| 領域 | 従来のコンサルスキル | 両利きコンサルスキル（New） |
|---|---|---|
| 思考法 | ロジカルシンキング（演繹・帰納） | デザインシンキング（共感・発散） × システムシンキング |
| 計画 | WBS（ウォーターフォール） | User Story Mapping / Backlog Management |
| 検証 | デスクリサーチ、有識者インタビュー | MVP開発、A/Bテスト、データ分析（SQL/Python） |
| IT | 要件定義書作成 | NoCode/LowCode活用、API設計理解 |
5. ケーススタディ：大手小売業のDX支援
課題: ECサイトのリニューアルを計画していたが、要件定義が半年続いてもまとまらず、開発に着手できていない。
Wizitのアプローチ:
- Day 1-14 : 完璧な要件定義を中断。Miroを使って「現状の顧客体験（As-Is）」と「理想の体験（To-Be）」をワークショップ形式で可視化し、関係者の目線合わせを実施。
- Day 15-30 : Figmaで主要画面のプロトタイプを作成し、実際の店舗スタッフと顧客にヒアリング。要件の優先順位を「Must」と「Nice to have」に再整理。
- Day 31- : アジャイルチームを組成し、2週間スプリントで開発を開始。並行して、マーケティング戦略の見直し（Discovery）を継続。
成果: 当初計画より3ヶ月早くMVP（Minimum Viable Product）をリリース。実際の顧客データに基づいて機能改善を行うサイクルが定着し、EC売上が前年比150%を達成。
まとめ：走りながら考え、動きながら変える
「戦略が決まってから動く」のではなく、「動くことで戦略を研ぎ澄ます」。 これが不確実性の高い現代における唯一の勝ち筋です。
Wizitは、泥臭い現場の実行支援と、高レイヤーの戦略策定の両方をワンストップで提供できる、稀有なプロフェッショナル集団です。 あなたのプロジェクトに、「両利き」の推進力をインストールしませんか？
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