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「採用した若手がなかなか立ち上がらない」 「リモートワーク中心で、OJT(On-the-Job Training)が機能しない」
コンサルティングファームや事業会社の企画部門において、若手人材の早期戦力化(オンボーディング)は永遠の課題です。特にリモートワークが常態化した2025年においては、従来の「背中を見て盗め」式の育成は完全に崩壊しました。
Wizitでは、科学的なアプローチと最新のEdTech(Education Technology)ツールを組み合わせた「構造化されたオンボーディング」を実践しています。 本記事では、入社3ヶ月で独り立ちし、プロジェクトに貢献できる状態を作るための具体的な設計図を公開します。
オンボーディングの風景
1. オンボーディングの失敗パターン:なぜ育たないのか?
多くの組織が陥る「育成の罠」があります。
* 放置プレイ: 「とりあえず資料読んでおいて」と言われ、背景や目的がわからず時間だけが過ぎる。 * 無茶振りOJT: 基礎スキルがない状態で現場に放り込まれ、炎上案件の火消しに追われて疲弊し、自信を喪失する。 * フィードバック不足: アウトプットに対するレビューが「てにをは」の修正ばかりで、思考プロセスへの指導がない。
これらを防ぐには、「期待値の明確化」と「学習の階段設計(スキャフォールディング)」が必要です。
2. 3ヶ月ロードマップ:階段を登らせる設計
Wizitが推奨する、90日間の成長ロードマップです。
Month 1: Input & Basic Skill(作法と基礎)
目標: チームの「お荷物」にならず、指示されたタスクを完遂できる。
* ロジカルシンキング基礎: MECE、ピラミッドストラクチャーの徹底。Wizitでは独自の動画教材とドリルを使用。 * ドキュメンテーション: PowerPoint/Excelのショートカット、標準フォーマットの習得。「考える」と「作業する」を分ける訓練。 * 議事録マスター: 単なる発言録ではなく、「決定事項」「To Do」「論点」を整理した構造化議事録を作成できる。
Month 2: Small Success(小さな成功体験)
目標: 定型業務を自律的に回し、部分的でもチームに貢献する。
* リサーチ業務: デスクリサーチに加え、生成AI(Perplexity等)を活用した効率的な情報収集と要約。 * タスク管理: 自分のタスクだけでなく、会議のロジ周りやスケジュール調整など、PMO(Project Management Office)的な動きの習得。 * メンターとの1on1: 週次での振り返り。KPT(Keep/Problem/Try)フレームワークを用いた自律的な改善サイクルの確立。
Month 3: Value Proposition(価値発揮)
目標: クライアントに対して、独自の示唆(Insight)を提供できる。
* 仮説構築: データや事象から「So What?(だから何?)」を導き出す訓練。 * ファシリテーション: 社内会議の一部を進行し、議論を収束させる経験。 * アウトプット責任: 1枚のスライド、1つの分析において、上司の修正なしでクライアントに提出できる品質基準(クオリティ・バー)を超える。
3. テクノロジーを活用した「2025年型」育成術
属人化しがちな育成を、テクノロジーで仕組み化します。
3-1. AIロールプレイング・パートナー
クライアントインタビューや報告会の練習相手として、カスタムGPTを活用します。 「気難しいCFO」「論理的なIT部長」などのペルソナを設定し、容赦ないツッコミを受ける模擬戦を繰り返すことで、度胸と対応力を養います。
3-2. スキル可視化ダッシュボード
「なんとなく頑張っている」ではなく、成長を定量化します。 * スキルマップ: コンサルスキルを50項目に分解し、4段階で評価。 * 活動ログ: Slackの発言数、ドキュメント作成数、会議発言数などをAPIで収集し、アクティビティを可視化。停滞しているメンバーを早期に発見します。
3-3. 動画ナレッジベース(LMS)
何度も同じことを教える時間を削減します。 「VLOOKUPの使い方」「MECEの考え方」などの基礎講座は全て動画化(Loom等を使用)。 先輩コンサルタントは、答えを教えるのではなく「この動画のここを見て、どう考えたか教えて」というコーチングに時間を使います。
4. メンター(育成担当)の心得
育成の主役はメンターです。Wizitではメンターに対して以下の行動指針を定めています。
- 心理的安全性の確保 :
「わからないことは恥ではない」という空気を醸成する。質問しやすいSlackチャンネル(分報)の運用。
- Whyを語る :
作業を指示するときは、必ず「なぜこの作業が必要か」「プロジェクト全体でどういう意味を持つか」をセットで伝える。
- Good & More :
フィードバックは必ず「良かった点」から始め、「もっと良くするための点」を伝えるサンドイッチ話法を徹底する。
まとめ:人は「仕組み」で育ち、「情熱」で飛躍する
根性論だけでは人は育ちませんし、仕組みだけでも熱量は生まれません。 Wizitのオンボーディングは、徹底的に合理化されたデジタルな仕組みの上で、人間味あふれるメンタリング(情熱)を注ぐハイブリッド型です。
未経験からコンサルタントを目指す方、あるいは組織の育成にお悩みの方は、ぜひWizitのメソッドを参考にしてください。
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