経営層を動かすインサイトづくり:エグゼクティブサマリの書き方【2025年版】
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コンサルティング2025.01.1512分

経営層を動かすインサイトづくり:エグゼクティブサマリの書き方【2025年版】

多忙な経営層は、100枚の資料を読みません。最初の1枚、すなわち「エグゼクティブサマリ」で勝負が決まります。 ここで心を掴めなければ、本編(詳細スライド)は見てもらえません。

「要約」と「サマリ」は違います。 要約は「短くまとめたもの」ですが、サマリは「意思決定を促すための抽出物」です。 本記事では、経営層を一瞬で納得させ、Goサインを引き出すためのサマリ作成術を解説します。

プレゼンテーション

プレゼンテーション

1. 鉄板フレームワーク:SCQA

マッキンゼーをはじめとする戦略ファームで使われる、ストーリー構成の基本です。

  • Situation(状況) : 誰もが合意できる客観的な事実。「現在、市場は拡大傾向にあります」
  • Complication(複雑化/問題) : 状況に対する障害。「しかし、我々のシェアは低下しています」
  • Question(問い) : 解決すべき論点。「シェアを回復するにはどうすべきか?」
  • Answer(答え) : 提案。「若年層向けのデジタルマーケティングを強化すべきです」

この流れで作ることで、聞き手はスムーズに論理に入り込めます。

2. Fact(事実)とImplication(示唆)

「売上が下がっています」はFactです。これだけでは経営層は動きません。 「売上が下がっているのは、競合A社の低価格プランへの流出が原因であり、このままでは来期赤字になるリスクがある」というのがImplicationです。

サマリには、必ず「So What?(だから何?)」という示唆を盛り込みます。

3. 「1分」で読めるレイアウト

* メッセージライン: スライド上部に、結論を1行で書く。 * 3つの根拠: 結論を支える理由を3つに絞り、並列に並べる。 * ネクストアクション: 最後に「今日承認してほしいこと」を明確にする。

4. 生成AIによる壁打ち

書いたサマリをChatGPTに読ませ、「あなたは冷徹なCFOです。この提案に対して反論してください」と指示します。 返ってきた反論に対してロジックを補強することで、隙のないサマリに仕上がります。

まとめ:短く書く方が難しい

パスカルの言葉に「時間がなかったので、長い手紙を書きました」というものがあります。 短く、本質を突いたサマリを書くには、深い思考と推敲が必要です。 しかし、その努力は「迅速な意思決定」という形で必ず報われます。

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