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「マーケティングがリード(見込み客)を集めても、営業が成約できない」 「トップ営業マンのノウハウが属人化し、組織全体の力が底上げされない」
多くのBtoB企業が抱えるこの課題に対し、精神論(もっと電話しろ!)で解決を図ろうとするのは時代遅れです。 2025年のセールス改善は、「プロセス管理の科学(The Model型)」と「テクノロジーによる武装(Sales Tech)」の掛け合わせで実現します。
本記事では、Wizitが支援したSaaS企業の事例を元に、受注率(Conversion Rate)を15%改善させた具体的な実装ステップを公開します。
データドリブンな営業会議
1. 現状分析:どこでボトルネックが発生しているか?
まずは営業プロセスを分解し、歩留まり(転換率)を可視化します。
ファネル分析の徹底
* MQL (Marketing Qualified Lead): マーケティング創出リード * SQL (Sales Qualified Lead): インサイドセールスが有効と判断したリード * Opportunity: 商談化 * Close: 受注
「リード数は足りているが、商談化率が低い」のか、「商談数はあるが、受注率が低い」のかで、打つべき施策は全く異なります。
2. 施策①:インサイドセールスの「質」向上
インサイドセールス(IS)は単なるテレアポ部隊ではありません。顧客の課題を特定し、適切なタイミングでフィールドセールス(FS)にパスを出す「司令塔」です。
BANT情報の精緻化ではなく「課題」へのフォーカス
予算(Budget)や時期(Timeframe)を聞き出すだけの尋問のようなヒアリングは嫌われます。 「今、〇〇という業務で困っていませんか?」という仮説ベースのアプローチに切り替え、顧客に気付きを与えます。
AIによる通話解析(Conversation Intelligence)
Zoomや電話の録音データをAI(Miitel等)で解析し、ハイパフォーマーの特徴を抽出します。 * 「ヒアリング:提案」の発話比率は 6:4 が黄金比。 * 「なるほど」「具体的には?」といった深掘り質問の回数。 これらの指標をダッシュボード化し、若手メンバーのコーチングに活用します。
3. 施策②:フィールドセールスの「武器」整備(Enablement)
商談の場において、営業担当者が自信を持って話せる状態を作ります。これを「セールス・イネーブルメント」と呼びます。
プレイブック(Playbook)の作成
「競合A社と比較されたらこう返す」「価格が高いと言われたらこの価値を訴求する」といった、勝ちパターンをまとめた台本を作成します。 Notionなどで常に最新化し、商談前にスマホで確認できるようにします。
コンテンツの整備
顧客の検討フェーズに合わせた資料を用意します。 * 認知段階: 業界動向レポート、課題啓蒙ホワイトペーパー。 * 比較検討段階: 競合比較表、ROIシミュレーションシート。 * 決裁段階: セキュリティチェックシート、導入スケジュール案。
4. 施策③:SFA/CRMの「入力負荷」ゼロ化
「SFA(Salesforce等)に入力するのが面倒」という現場の不満が、データの欠損を招き、正しい分析を阻害します。
入力自動化ツールの導入
* メールやカレンダーの履歴を自動でSFAに同期。 * 商談後の議事録をAIが要約し、SFAの活動履歴に自動登録。 営業担当者は「入力」から解放され、「顧客との対話」に集中できます。
パイプライン・レビューの変革
週次の営業会議で「あの案件どうなった?」と聞くのをやめます。SFAを見ればわかるからです。 会議では「この案件を受注するために、組織として何ができるか(上司の同行、開発部門への確認など)」という「前向きな作戦会議」に時間を使います。
5. 成果:受注率15%アップのインパクト
上記施策を3ヶ月かけて実装した結果、以下の成果が出ました。
* 商談化率: 12% → 18%(インサイドセールスのトーク改善) * 受注率: 20% → 23%(プレイブック活用と適切な資料提供) * リードタイム: 平均45日 → 38日(ネクストアクションの明確化)
これらを掛け合わせることで、最終的な売上は大幅に向上しました。
まとめ:営業は「根性」ではなく「科学」である
「足で稼ぐ」時代から、「データで稼ぐ」時代へ。 営業プロセスを科学し、テクノロジーでレバレッジをかけることで、誰でも成果を出せる組織を作ることができます。
Wizitでは、SFAの定着化からセールスイネーブルメントの立ち上げまで、BtoBセールスの変革をトータルで支援します。
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